【徹底解説】HDDがうるさい！カリカリ音は解消できる？外付けHDDの対策も

HDDを使っていると、ファンの音や書き込みのカリカリ音が気になる方も多いのではないでしょうか。パソコン使用中にハードディスクから大きな音が鳴っていると、気になって作業に集中できない場合もありますよね。パソコンを快適に使用するためにも音対策は必須です。

また、その音は故障のサインかもしれません。HDDは消耗品のため、長く使っていると劣化していきます。劣化すると異音が出る場合も多いので、HDDがうるさいと思ったら音の原因を確認しましょう。

この記事では、HDDがうるさい場合の対策・対処法を紹介します。「故障じゃないけどうるさい場合」「故障が疑われる場合」をそれぞれ解説しますので、ぜひご覧ください。また、外付けHDDの音についての解消方法もご紹介します。

まずは、HDDからの音が故障かどうかを確認しましょう。「ブーン」というモーターの回転音やカリカリ音は、HDDの読み書きで生じる正常なシーク音なので、故障の心配は少ないです。また、「ジー」という音が1分間続いて止み、数分後にまた発生を繰り返すような場合も、ヘッドの定期的な動作によるものなので問題ありません。

そのような動作音ではなく、「ガリガリ」「カタカタ」「キュルキュル」といった異音や音がだんだん大きくる場合は故障かもしれません。故障が疑われる場合は、修理に出してHDDの交換を検討してください。

「ブーン」というモーターの回転音が大きいときは、PCケースと共振している可能性があります。特に、床や家具の上に直接置いていると共振が起きやすいです。その場合は床に直接置かずに、カーペットなどのクッション性があるものを挟むと音が抑える効果が期待できます。

また、ファンにホコリやゴミなどが付着している場合もあります。その場合はファンを掃除すると改善される場合があるので併せてお試しください。

「カリカリ」という書き込み音がうるさい場合は、静音のHDDに付け替えやHDDケースに入れるなどの対策を取りましょう。静音のHDDを選ぶと音は気になりにくいです。しかし、静音な分、回転数が少ないので読み込み速度などが落ちてしまいます。

また、防音材の入ったHDDケースに入れると音はかなり軽減されます。他にも、手軽な方法として静音ツールを導入も挙げられます。ソフトで簡単に書き込み音を静音化できますが、静音化に伴いHDDの性能が低下するので注意が必要です。

外付けHDDの振動が気になる場合は、耐震マットなどを活用するのが効果的です。HDDが直接床や家具と接していると振動が伝わり音が大きく響いてしまいますが、耐震マットを敷けば振動を吸収できるので、不快な音が軽減されます。

耐震マットなどを敷く際には吸気口を塞がないよう注意してください。スムーズに吸気できないと、放熱ができずに外付けHDDの温度が上がってしまいます。

また、テレビ録画対応として売られている大容量の3.5インチHDDに比べて、2.5インチポータブルHDDは圧倒的に静かなので、テレビを見ているときの録画音が気になる場合は、あえて2.5インチを使ってみるのもおすすめです。

「ブーン」という回転音や「カリカリ」という書き込み音は通常の動作音ですが、音が大きすぎる場合は故障の前兆かもしれません。HDDは消耗品なので、どれだけ大事に扱っていてもいずれは故障してしまいます。いつもの動作音より音が大きい状態が続いたり、だんだんと音が大きくなったりする場合は、故障を疑い修理や買い替えなどの対策を取りましょう。

HDDからの異音で考えられるのが物理障害です。これは、経年劣化・物理的な衝撃・落雷等によりショートしたなどの原因で、HDDのパーツが物理的に破損してしまい正常な動作をしない状態です。異音の原因となる物理障害は以下の3種類です。

• 磁気ヘッドの障害：データの記録面に書き込みを行う装置。カチカチやカタカタといった異音がする。
• 不良セクタの蓄積：使用するほどに増えていく読み書きが行えない箇所。メンテナンス機能が追いつかなくなると異音がする。
• ファームウェアの異常：動作を制御するプログラム。磁気ヘッド同様カチカチ・カタカタといった異音がする。

通常通りパソコンが動作する場合は保存されているデータのバックアップを取り、新しいHDDやSSDに入れ替えるのがおすすめです。もちろんパソコン自体を買い替えても構いません。異音がするHDDを使い続けても壊れるリスクが高いです。通常通り動くなら、何よりも先にバックアップを取りましょう。

ただし、動いているからと言って異音のする中、バックアップを取る行為はリスクを伴います。大手メーカーのバッファローでは、ハードディスクから異音がした場合の対処法として、外付けHDDなど電源が切れるものは電源を切り、他の媒体と繋げないことを推奨しています。

データに破損がある場合は、データ復旧を行いバックアップを取りましょう。データ復旧はフリーソフトでできるものもあります。フリーソフトが不安であれば、業者に依頼するのがおすすめです。テータ復旧ができても異音が解決するわけではありません。データ復旧とバックアップができたら、HDDを新しいHDDかSDDに入れ替えるか、パソコンを買い替えましょう。

パソコンが起動しない場合は、専門業者に修理やデータ復旧の依頼をしましょう。自己対応で起動できても、通電により症状が悪化したりデータが消失したりする可能性があります。専門業者に依頼する方が安全です。ただし、修理できない場合もあります。

HDDが異音が発生しているにもかかわらず、通電した状態を続けるのは危険です。物理障害が起きている状態で通電しているとHDDの読み書きを行う磁気ヘッドが不規則に動作してしまいます。それによってHDDの記録面と衝突し、HDDの中に記録されているデータが破壊されてしまったり、データ復旧・修理も困難になります。

HDDから異音が確認できる場合は早めに電源を切り、通電したままにするのは避けた方が無難です。

異音がすると焦ってしまう方も多いです。しかし、焦ってやってはいけない行動もあるので注意しましょう。たとえば、何度も再起動をしてしまうとHDDに負荷がかかり、症状が悪化してしまう場合があります。他にもHDDに衝撃を与えたり分解したりするのもNGです。また、外付けHDDの場合、別のパソコンへの付け替えもおすすめできません。

レトロな家電の直し方として、叩いて直すなんてものがあります。ですが、HDDをたたくのは絶対にやめましょう。通常の状態でも叩いたり揺らしたりといった物理的な衝撃を与えるのはよくありませんが、異音がしている場合は特に取り扱いに注意が必要です。衝撃を与えると部品が損傷する可能性が高く、最悪データの破損に繋がります。

自分でHDDを分解して修理できないかと考える人もいるかもしれません。ですが、HDDの分解には高度な技術の他、防塵施設も必要です。特にパーツに障害がないファームウェア異常の場合は、分解したとしても個人で原因を探るのはかなりハードルが高くなります。

しかも、自分で分解してしまうとメーカー保証の対象外になってしまい、専門業者からも修理依頼を断られてしまう場合があります。無理に自力で分解しようとする前に、専門業者に修理を依頼するのをおすすめします。

焦げ臭いなどの異臭がした場合はすぐに電源を切ってください。異音と違って異臭は確実にHDDに異常があります。使い続けるとHDDの基板がショートしたり、チップが焼けたりする恐れがあるので、すぐに電源を切りましょう。

すぐに電源を切るためバックアップは取れませんが、最悪火災の原因になる可能性もあります。自分で下手に触らず、メーカーや専門業者に修理依頼をしてください。

HDDは消耗品です。突然の故障にも対応できるよう、定期的にデータのバックアップをしておきましょう。家族の思い出や大切な仕事のデータが消えてた場合、データが復旧できなかったら取り返しがつきません。動作音が気になった際も、音対策とあわせてバックアップを取っておくと安心です。