ルーターの接続方法｜接続台数を増やすとつながらないのかも解説

ルーターはパソコンやスマホなど複数の機器をインターネットへ接続したい時に欠かせないアイテムですよね。特に無線のWi-Fiルーターは、場所を選ばずインターネットを楽しめるため、とても便利です。

しかし、ルーターとモデム・ケーブルなどをどのように接続すればいいのか、自信がない方も多いはずです。また接続以外にも、ルーターの初期設定に関する暗号化キーやパスワードなど、慣れない方にとっては不安に感じるポイントがあります。

そこでこの記事では、意外と難しくないルーターの接続方法や、Wi-Fiが不安定な場合にルーターで起こりうる原因などをご紹介します。さらに、接続台数を増やす方法とその確認方法、同時接続数を増やした場合の通信速度の変化やつながらないといった疑問も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

ルーターとモデムはなんとなく似ているため、具体的にどう違うのか分かっていない方も多いはずです。どちらもインターネットを接続するうえで重要なものなので、役割や機能を理解しておきましょう。

無線は配線が不要なので、部屋がすっきりとしてレイアウトを変更しやすいです。さらには家中にケーブルを張り巡らせることなく、1階・2階どの部屋にいてもインターネットを楽しめます。

ただし、場所によっては電波が届かなかったり障害物の影響を受けたりと、有線よりも通信速度は安定しません。また有線よりも高価な上、セキュリティ対策を万全にしないと不正アクセスされるリスクがあります。

有線は障害物や電波の影響を受けないため、距離が離れていても安定した通信速度でインターネットを利用できます。また無線に比べ、不正アクセスによる情報漏洩などのリスクが少ないです。

しかし、接続にケーブルが必要なため、足を引っ掛けて断線したりケガをしたりする恐れがあります。さらには、ケーブルが長いほど踏まれたりねじ曲がったりしやすくなり、劣化による通信障害を起こす可能性があります。

ルーターのLANポートがすべて埋まっていても、ハブを使えばさらに多くの機器をルーターに接続できます。ハブはコンセントの差込口を増やしたい時に使うテーブルタップのようなもので、ルーターとしての機能はありません。

ハブにはプラスチック製と金属製があり、データ通信を多く行う方や接続機器が多い場合は、熱を逃がしやすい金属製が便利です。

モデムは、パソコンのデジタル信号と電話回線のアナログ信号を相互変換する装置です。信号の種類が異なっていると通信を行えないため、中継器のモデムが必要です。また、ADSL回線はモデムを使用しますが、光回線の場合は光信号を変換するOCNを使用します。

さらに、モデムとルーターが一体化したモデム内蔵ルーターも販売されており、モデム内蔵ルーターが1台あれば、複数の端末を接続したい時でもルーターを用意せずに済みます。

無線LANルーター(Wi-Fiルーター)の接続方法はそれほど難しくありません。基本的な手順はどのルーターでも同じですが、メーカーによって設定が異なる場合もあるため、取扱説明書をよく確認してください。

無線LANルーターを接続する場合は、以下の5点が必要です。

• 無線LANルーター(Wi-Fiルーター)
• LANケーブル(付属されていない場合)
• モデム
• インターネット回線
• パソコン・スマホ・テレビなどのWi-Fi対応機器

マンションやアパートのような集合住宅で「インターネット完備」と謳っている場合は、インターネット契約をする必要はありません。中には初めからWi-Fi環境が整っている物件もあります。

まずモデムと無線LANルーターをLANケーブルで接続します。ルーターにはLAN端子がいくつかありますが、「WAN」や「INTERNET」などへ接続します。次に、ルーターとWi-Fi対応機器(子機)を自動もしくは手動で接続します。

ルーターが自動接続に対応していれば、自動的に子機とつながります。また手動で接続する場合は、子機のWi-Fi設定画面でSSID(電波の名称)と暗号化キーを選択しましょう。

PPPoE設定(インターネット接続で必要なパスワードを自動送信する機能)ができるモデムの場合、ルーターにPPPoE設定をする必要があります。その際は指定されているユーザー名とパスワードを使用します。

有線LANルーターを接続する場合は、以下の5点が必要です。

• 有線LANルーター
• LANケーブル
• モデム
• インターネット回線
• パソコン・スマホ・テレビなどのWi-Fi対応機器

LANケーブルはノイズに強く被膜が厚い「スタンダードタイプ」と、導線を曲げやすくスムーズに設置できる「やわらかタイプ」「極細タイプ」などがあります。環境や用途に合ったものを選んでください。

はじめに、モデムと有線LANルーターをLANケーブルで接続します。次にPPPoE接続を行えるモデムであれば、ルーター側にPPPoEを設定することが望ましいです。有線接続している機器で「Internet Explorer」を起動させ、アドレスに「192.168.1.1」を入力します。

ただし、ルーターによってはこの数字が文字列の場合もあります。ユーザー名とパスワードでログインし「Wizard設定」からPPPoEを選択しましょう。

ここでは機種別の最大接続台数の例をいくつかご紹介します。

一般的には、接続台数が多くなるほどWi-Fiルーターの価格は高くなります。

スマホとパソコンを台数別にWi-Fiルーターへ3回接続し、算出した通信速度の平均値(Mbps)は以下の通りです。

1台から2台になっても、速度は誤差の範囲内程度しか変わりません。しかし10台になると上りの速度は上がっているものの、下りの速度は半分程度に落ちています。20～30台以上接続が可能なものでも、速度を優先するなら接続台数は2～3台に抑えましょう。

ネットワーク機器には、それぞれを識別するためのMACアドレスという符号が割り振られています。MACアドレスは国際機関によって割り振られており、勝手に設定を変えることはできません。Wi-Fiルーターに接続されている端末を確認したい場合は、このMACアドレスを調べる必要があります。

MACアドレスを調べるのはそれほど難しくありませんが、端末の種類によって表示方法が異なるためそれぞれ解説します。

• Windows：コマンドプロンプトに「ipconfig /al」を入力
• Mac：システムレポート→ネットワーク→Wi-Fi
• iPhone / iPad：設定→一般→情報→Wi-Fiアドレス
• Andoroid：設定→端末情報→端末の状態

以上の方法で、所持している端末のMACアドレスを調べておきましょう。

MACアドレスが分かれば、不正な接続が紛れているかどうか確認できます。Wi-Fiルーターの種類によって表示方法は変わってきますが、設定画面からDHCPを開きMACアドレスを確認します。

ここで見慣れないMACアドレスがあった場合は要注意です。もし本来接続していないアドレスがあったら、暗号化キーの変更やMACアドレス制限などの処理が必要です。

インターネットに接続できなかったり通信がすぐ切れてしまったりする場合は、ルーターに原因があることも考えられます。ここではWi-Fiルーターで起こりうる不具合の原因や、どのように不具合の確認や対処をすればいいのかをご紹介します。

端末にWi-Fiマークが表示されているのにインターネットへ接続できない場合、Wi-Fiルーターで考えられる原因は以下のようなものがあります。

• Wi-Fiルーターや端末の不具合・故障
• Wi-Fiルーターの設定・認証ミス
• 複数のWi-Fiルーターがある

特にWi-Fiルーターの使用期間が長い場合は、ルーターやケーブルの劣化に注意が必要です。

Wi-Fiが頻繁に切れる時は、一度ケーブルをすべて外してつなぎ直し、ルーターを再起動しましょう。もし一時的な不具合だった場合は、再起動で症状が改善されるケースがあります。またWi-Fiルーターにリセットボタンが付いていれば、リセットによる解決も期待できます。ただし、リセットした場合はルーターを再設定する必要があります。

Wi-Fiルーターは電波を円形に飛ばす仕組みになっています。そのため、隅の方に置くと場所によっては電波が届きにくくなります。また1階から2階へ電波を届けようとしても、天井やドアなどの障害物によって電波を弱めてしまいます。

特に、電波が発生する電子機器のそばに置くとWi-Fiルーターの通信が不安定になります。たとえば、電波が発生する電子機器だと電子レンジなどが挙げられます。そのため、ワンルームに住まれている方は、できるだけ遠い場所に設置しましょう。

さらに水槽や花瓶といった置物も電波を防ぐので近くに設置しないでください。電波を防ぐ障害物は多くありますので、Wi-Fiルーターは1ｍ~2mなど高いのところに設置するのがおすすめです。なお、ルーターの設置場所を変えても不具合が改善されない場合は、中継器の導入も検討しましょう。

Wi-Fiルーターには「2.4Ghz」「5Ghz」といった2種類の周波数があるため、どちらなのかを確認しましょう。2.4Ghzは電波が遠くまで届きやすいですが、通信速度が安定しません。一方で5Ghzは通信速度に優れていますが、電波を遠くまで飛ばすのは不向きで、距離があるとWi-Fiは途切れやすいです。

周波数による不具合を防ぎたいのなら、両方の周波数に対応したWi-Fiルーターがおすすめです。

ファイアウォールのようなセキュリティシステムによって、通信を遮断されている可能性があります。よって、ファイアウォールを有効にしている場合は一時的に無効化し、インターネットに接続できるかどうか試しましょう。

ただしセキュリティシステムを無効化した途端に、ウイルス感染や乗っ取りなどのリスクが高まります。無効の状態を放置せず、確認が終わったらすぐに設定を戻しましょう。

自分で設定の変更ができない、あるいはインターネットに接続できない原因をどうしても特定できない場合は、サポートセンターに問い合わせましょう。プロバイダー業者や回線事業者によっては、年中無休で対応してくれるところもあります。

問い合わせる時には、Wi-Fiルーターのランプの色やどこが点滅しているかなどを確認しておくと、やりとりがスムーズに進みます。

メーカーや機種によって設定方法に違いはありますが、ルーターの接続は簡単です。Wi-Fiが使えるようになれば、通信制限を気にする心配がなくスマホで動画を見れたり、オンラインゲームをストレスなく楽んだりできます。ルーターの正しい接続方法を守り、ぜひ快適なWi-Fi環境を作ってください。