SSDの取り付け方法を徹底解説｜増設で高速化！マザーボードにどう取り付ける？

PCのHDDの起動ディスクをSSDに交換すると、OSやアプリの起動が速くなるのをご存じですか。SSDに変換をするとデータの読み書きも高速になるため、パソコンでの作業が格段に快適になるのは間違いありません。

SSDには複数の規格があります。特に最近ではケーブルを介さず直接マザーボードに接続するM.2 SSDが普及し、2.5インチSSDに負けないほどのユーザー層を獲得。PS5の内蔵ストレージに採用された事例もあり、今後ますます浸透していく見通しです。

本記事ではSSDの種類のほか、2.5インチSSD・M.2 SSDのパソコンへの取り付け方法について解説します。また、気になるPS5への取り付け方法・作業に必要なものについても言及しますので、ぜひ最後までご覧ください。

M.2 SSDは、2014年頃から登場し始めてから普及率を着実に伸ばしており、現在ほとんどのノートパソコンが対応しています。メモリを搭載した基板の形で、マザーボードなどのソケットに直接差して利用します。M.2 SSDにはサイズとインターフェースに種類があるので、自分のパソコンに合ったものを選ぶよう意識しましょう。

インターフェースの規格は、「SATA」と高速な「PCI Express」の2種類があります。PCI Expressの最速タイプは64Gbpsと呼ばれる転送速度に対応しますが、高速タイプは発熱が多いのがデメリットでもあります。

SSDの一般的なタイプが2.5インチSSDです。パソコンとのインターフェースはSATA(Serial ATA）といい、最新のSATA3の規格は6Gbpsと呼ばれる転送速度に対応しています。

デスクトップPCの場合、SATAケーブルと電源ケーブルを使用して接続します。ノートPCの場合は、SATA端子と電源端子が一体になったコネクタに差し込む形が多いです。

ｍSATAのSSDは、M.2 SSDの前世代のタイプになります。モバイルノートPCのULTRA BOOK・タブレットPC・小型PCなどで利用されているものです。現在、モバイルノートPCなどの主流はM.2 SSDになっています。

mSATAタイプを利用しているパソコンは多くないので、今回の記事ではmSATAタイプのSSDの取り付け方は紹介していません。

デスクトップPCにSSDを取り付けるためには、以下のような準備が必要です。特に、パソコンの内部の基板やSSDは静電気に弱いので、静電気対策は忘れないようにしましょう。また、精密ドライバーも用意してください。

• パソコンをシャットダウンし、主電源をオフにして電源ケーブルを抜く
• USBケーブルやLANケーブルなどのケーブルをすべて外す
• ドアノブなどに触れて身体の静電気を逃がす
• パソコンのケースを開けて交換・増設先のスロット・コネクタを確認する

2.5インチSSDにはSATAケーブルと電源ケーブルを接続します。交換の場合は、古いHDDやSSDに繋がっているSATAケーブルと電源ケーブルが利用可能です。ただし、SATAケーブルを繋ぐマザーボードのポートがSATA3であるのを確認しておきましょう。SATA2のポートに繋ぐとSSD本来の速度が出ません。

また、2.5インチSSDを3.5インチベイに取り付ける場合にはマウンタと呼ばれる部品を取り付けてサイズを調整する必要があります。SSD(HDD)の取り付け場所が複数ある場合は、なるべく他のストレージと離して設置しましょう。

M.2 SSDにはSATAとPCI-Expressの2種類のインターフェースがあるため、間違ったタイプを購入しないよう意識しましょう。尚、取り付け方法は両タイプとも同じです。また、マザーボードにM.2 SSDのスロットがない場合は、拡張ボードを利用して取り付ける方法もあります。

M.2 SSDを取り付けるには、マザーボードのM.2スロットに斜めに差し込んで取り付けネジで固定するだけなので作業そのものは難しくありません。固定用ネジは、マザーボードに付属のものを利用するか別途用意しておきます。

また、M.2 SSD用スロットは「SATAとPCIeの両方」に対応するタイプと「PCIeのみ」に対応するタイプの2種類が一般的です。SATAのM.2 SSDに対応しているスロットに装着する必要があるので、スロットのタイプを事前に確認しましょう。

PCI Express/NVMeのM.2 SSDは、「SATAとPCIeの両方」に対応するスロットか「PCIeのみ」に対応するスロットを利用します。すでにM.2 SSDが搭載されている場合は、その規格をよく確認しましょう。自作PCの場合はマザーボードの取扱説明書にスロットの情報があります。

また、PCI Express/NVMeのM.2 SSDは発熱が多いといった問題があります。発熱対策としてヒートシンクと呼ばれる部品を装着するのが一般的です。なお、マザーボードにヒートシンクが付いている場合もあります。

交換する際に意識したいのが、ノートPCに搭載されているHDDやSSDのタイプなどを確認したうえで交換用のSSDを用意する必要がある点です。取扱説明書などに情報がない場合は、ノートPCの裏蓋を開けてサイズやインターフェースを確認してください。

Macの場合には特殊な星型のネジが使われているので、対応するドライバーが必要です。また、Windows PCもMacもSSDを換装するとメーカー保証がなくなるのを認識しておきましょう。

• ノートPCの電源をオフにし、バッテリーを外す
• 裏蓋のネジや固定用のツメを外す
• 静電気対策をしてから裏蓋を開ける

搭載されているHDDやSSDを取り外して交換します。SATA端子と電源端子の向きを確認して新しいSSDを取り付けるだけなので簡単です。

また、ノートPCによってはSSDをマウンタにネジ止めするタイプのものもあれば、ネジ止め不要のものもあります。取り付け方を間違わないように、HDDやSSDを取り外す前の状態を写真に撮っておくのをおすすめします。

ノートパソコンのM.2 SSDを交換する場合、SATAタイプなのかPCI Expressタイプなのかについて取扱説明書などに情報がない場合もあります。その場合は、ノートパソコンの裏蓋を開けて搭載されているM.2 SSDの端子の形状を確認しましょう。

例外もありますが、端子の切り欠きが1つの場合はPCI Expressタイプ、切り欠きが2つの場合はSATAタイプであるケースが多いです。

M.2 SSDのスロットがSATAタイプ・PCI Expressタイプ・兼用タイプなのかによってそれぞれ搭載できるM.2 SSDのタイプは異なります。兼用タイプのスロットであれば、SATAタイプとPCI Expressタイプのどちらも利用可能です。

取扱説明書などにスロットの情報がない場合は、マザーボードのスロットの部分に対応サイズや対応インターフェースの情報が記載されている場合もあるので確認しましょう。

新しくM.2 SSDを用意したのに、裏蓋を開けてみたらスロットがmSATA規格だった場合も。SATA規格のM.2 SSDをmSATAの端子に変換するアダプターもありますが、確実に動作する保証はありません。

このような場合は、M.2 SSD用の外付けケースに入れて外付けのストレージとして利用しましょう。

SSDの増設は、交換の場合とほぼ同じ手順で行います。ただし、SATA接続のSSDを増設する場合は、マザーボードのSATAコネクタの空きを確認したり、SATAケーブルや電源分岐ケーブルが必要かどうか確認しておきましょう。

また、SATAケーブルなどが足りていない場合は、事前に用意します。M.2 SSDの場合は、基板の固定用のネジも必要です。

パソコンに取り付けた後SSDが認識されない場合があります。もし認識されない場合には、コネクタやケーブルなどの接続部分のチェックのほかに以下のパターンも確認しましょう。

起動ディスクのクローンを作成した場合は、最初にSSDのフォーマットが行われています。取り付けただけのSSDは、初期設定とフォーマットをしてパソコンに認識させる処理が必要です。

Windowsの場合、スタートメニューから「Windows管理ツール」→「コンピュータの管理」→「記憶域」→「ディスクの管理」を選び設定を行います。また、フォーマットの際は「クイック フォーマットする」にチェックを付けておいてください。

M.2 SSDやM.2スロットにはそれぞれ複数の規格があります。マザーボードのスロット規格とM.2 SSDの規格がマッチしていないと、M.2 SSDは認識されません。また、マザーボードによってはM.2 SSDを利用する場合に一部のSATAポートが使用できなくなる場合があります。起動ディスクを繋いでいるSATAポートには意識が必要です。

M.2 SSDの種類

• SATAタイプ
• PCIeタイプ

スロットの種類

• SATA専用スロット
• PCIe専用スロット
• SATA・PCIe共用スロット

SSDの増設ができないパソコンの場合は、外付けタイプのSSDを利用しましょう。USB3.0に対応しているタイプであれば高速データ転送ができます。また、Thunderbolt(サンダーボルト)と呼ばれるインターフェースに対応しているパソコンでは、さらに高速なThunderbolt対応の外付けSSDを利用可能です。

SSDの増設を検討している方におすすめの商品をご紹介しています。興味のある方はぜひ参照してください。きっと探しているSSDが見つかります。

PS5内蔵ストレージの交換作業に必要なものは以下の通りです。

• 明るい部屋
• 作業用テーブル
• 交換用M.2 SSD
• プラスドライバー
• 小型の懐中電灯（任意）

ちなみに、初期段階のPS5内蔵ストレージの仕様はPCIe Gen 4 M.2 NVMe SSD・容量825GB。交換用M.2 SSDには、より高いスペックのものを用意するのがおすすめです。

PS5内蔵ストレージの交換手順を大きく分けると、既存M.2 SSDの取り外し・交換用M.2 SSDの取り付けの2段階です。詳細を記述します。

【既存M.2 SSDの取り外し】

• PS5の電源をオフにし、本体からすべてのケーブルやデバイスを取り外す
• PS5の熱が冷めるまで待ち、作業用テーブルに布を敷いて上に本体を置く
• 本体のベースを取り外し、電源ボタンが手前に向くよう方向転換する
• 右手でカバー右下の端・左手でカバー左上の端をつかみ、右手でゆっくりカバーを持ち上げる
• 左手の指で本体を押さえつつ、左手の親指でカバーを右方向にスライドさせて外す
• 拡張スロットカバーのネジを取り外す
• M.2 SSD用スロットのネジを外し、M.2 SSDの端を持って斜め上に引き上げる
• 取り外したM.2 SSDは作業の邪魔にならない場所に退避させる

【交換用M.2 SSDの取り付け】

• 交換用M.2 SSDの大きさに合わせて、スペーサーを溝に移動させる
• 交換用M.2 SSDの端を持ち、拡張コネクターのノッチに合わせて斜め上からゆっくり差し込む
• 交換用M.2 SSDの基板がスペーサーの上で平らになっていることを確認
• 交換用M.2 SSDを下に倒し、ネジでスペーサーに固定
• 拡張スロットカバーを取り付け、ネジを締める
• 外したカバーを左方向にスライドさせ、元の場所に取り付ける
• PS5本体に電源コード・ケーブル類・ベースを取り付ける
• 電源を投入し、ガイドに従ってフォーマットすれば完了

HDDをSSDに交換したり増設したりして、パソコンの動作を格段に高速にするのが可能です。SSDの取り付けは、タイプを間違えなければ難しい話ではありません。自分のパソコンに合ったタイプのSSDを探して、ぜひ交換や増設にチャレンジしてください。