ストッキングは、その形状・丈によって「パンスト」「太もも丈」「ひざ上」「ひざ下」「ふくらはぎ下」「くるぶし上」の6種類に分けられます。以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。

「パンスト」とはパンティストッキングの略称で、その名の通り下着のパンティと長靴下であるストッキングが一緒になったタイプのものです。パンストは、足のつま先から腰までをそれ一枚で覆うことができるものを指します。

「太もも丈」のストッキングは別名「ガーターストッキング」とも呼ばれ、長い靴下を意味するストッキングは通常この太もも丈のことを指します。従来の太もも丈のストッキングはずり落ちるのが欠点でパンストに人気が集中していましたが、近年ではずり落ちないよう上端のゴム部分を強化したものが流通するようになったことで、人気を再獲得しています。

「ひざ上丈」のストッキングは見た目はオーバーニーソックスと同様で、春夏の暑い季節には特に大活躍するストッキングの一つです。「パンストだとお腹周りが蒸れて辛い」という人には、ひざ上丈は重宝するアイテムでしょう。

「ひざ下丈」のストッキングは見た目はハイソックスと同様で、パンツや長めのスカートを履く際などに活躍します。ボトムの長さによって、ひざ上丈とひざ下丈のストッキングを使い分けると非常に便利です。

「ふくらはぎ下」のストッキングは見た目はハイクルーソックスと同様で、着脱が簡単なのが魅力です。また動きやすさも特徴の一つで、外周りの営業など歩き回る機会にはおすすめのストッキングと言えます。

「くるぶし上」のストッキングは見た目はロークルーソックスと同様で、主にパンツスタイルで活躍するストッキングです。着脱が非常に簡単なことに加え、ストッキングによる身体の蒸れを最小限に抑えられるため暑い季節にはもってこいなアイテムでしょう。

ストッキングの種類を見てきたところで、ここからは数ある商品の中から自分にぴったりのストッキングを選ぶ方法をご紹介していきます。

タイツを購入する際には気にする人の多い「デニール」。実はストッキングにも濃淡がありそれによって用途も変わってくるため、デニール数は注目すべきポイントです。

「デニール」とは、ストッキングを構成する繊維の太さを表す単位です。デニール数は商品パッケージに記載されていることがほとんどで、ストッキングのデニール数は20～40。それ以上のデニール数のものは、ストッキングではなくタイツの部類に入ります。

20～40までのデニール数があるストッキングですが、素肌感を演出してくれるのは20～30デニールのものです。ストッキング選びでよくある失敗例として「ベージュが濃すぎて自分の肌色になじまない」ことが挙げられますが、素肌に近いデニールのストッキングを選べばこのような失敗は避けられますよ。

ストッキング選びにおいて、サイズは最も重要なポイントです。いくら色合いが肌に合っていても、サイズが違ってしまってはキレイに履きこなすことは難しいでしょう。

自分のサイズよりも小さいサイズのストッキングを選んでしまうと、生地が伸びきってしまい本来の色を再現できなくなります。さらにサイズが小さいため、締め付けが苦しくなるのは当然のこと。

一方大きいサイズのストッキングを選ぶと生地がよれてしわができてしまうため、周りにもサイズが合っていないことが容易にばれてしまいます。また生地が張らないことで、当然のことながらストッキング本来の色合いも再現できません。

ストッキングのサイズを選ぶ際には、身長とヒップに注目しましょう。ストッキングのサイズは、S～M、M～Lといった複数のサイズをまたぐ形式で表記されているものが多いです。この場合、S～Mであれば「M」、M～Lであれば「L」に近いサイズになっているため頭に入れておきましょう。

ストッキング選びでは、「まずはカラーから」という人が最も多いでしょう。ストッキングの用途にも影響するカラー選びについて、以下で詳しくご紹介します。

ストッキングのカラー選びで最も効率的かつ間違いがない方法は、サンプルを試着してみることです。ストッキング売り場に行くとショート丈ほどにカットされたサンプルが置いてあるため、その中に手を入れ広げて伸ばして色合いを確認しましょう。

手の甲・手のひらとひっくり返しながら両側の色合いを見ながら、自分の足の肌色と合うかどうか入念にチェックしてください。

サンプルがない場合は、商品パッケージの小窓で色合いをチェックしましょう。小窓ではストッキングそのままの濃い色と、伸ばした際の薄い色の2色が見られるようになっています。薄い色が履いた際のストッキングの色合いになるため、腕の内側を小窓の隣に置いて双方の色合いを見比べてから選ぶのがおすすめです。

「候補がいくつかあってどの色が良いのか迷ってしまう」というときには、ワントーン暗めの色を選ぶようにしましょう。商品パッケージの小窓で見えるストッキングの色は台紙が白であるため、履いた時よりも明るいのがほとんどです。

また暗めの色の方が、足が細く見えて美脚効果も得られます。

ストッキングを履くことで得られる効果としてどのようなものを求めるのかは、ストッキング選びの根幹に関わる重要なポイントです。商品パッケージの記載内容から、自分の希望に合ったものであるかどうかを見極められるようにしましょう。

履いているのがわからないほどの素肌感を再現してくれるストッキングを求めるのであれば、より細い糸である「SCY（シングルカバリングヤーン）」で編まれているものを選びましょう。

SCYとは、ポリウレタン糸とナイロン糸が1重巻きになっている糸のこと。さらにサポート糸とナイロン糸を交互網みで編み上げている「交編」のストッキングであれば、より一層素肌のような透明感を再現できます。

脚を細く見せたいときには、ほとんどをサポート糸で編み曲げた「ゾッキ編み」のストッキングを選びましょう。ゾッキ編みは、締め付けない柔らかい履き心地が特徴です。交編よりも伸縮性に長けていて、足のピタッとフィットするため足をきゅっと引き締めて見せてくれます。

伝線しにくいストッキングがほしいときには、「ノンラン」という特殊な編み方で作られているものを選ぶと良いでしょう。ノンランは引っかけて穴が空いてしまってもそれ以上広がらないよう工夫されていて丈夫なため、安心ですよ。

「脚を引き締めて細く見せたい」「むくみを改善したい」などの目的なら、着圧ストッキングがおすすめ。ここでは着圧ストッキングの種類をご紹介します。

着圧ストッキングとは、脚の引き締めに効果的なストッキングのこと。立ちっぱなしの仕事やデスクワーク、長時間の運転などによるむくみにも効果が得られるのが魅力です。着圧ストッキングでは、着圧の強さをhPa（ヘクトパスカル）やmmHg（ミリエイチジー）という単位で表していて、数値が大きくなればなるほど引き締め効果は強くなります。

「段階着圧」とはその名の通り、部位ごとに段階的に着圧をかけることで脚の引き締め効果をより一層高める着圧方法のこと。太もも・ふくらはぎ・足首の3段階着圧設計が主流で、上図のように下に行くにつれて着圧が強くなります。

「グラデーション着圧」とは、段階着圧とは違い脚全体に細かい着圧をかかっている着圧方法です。脚に過度な締め付けを加えることがないため、快適な履き心地を体感できます。締め付けが苦手という人におすすめの着圧ストッキングです。

いくら色やサイズが合っていても、履き心地が快適でなければ長く愛用することはできませんよね。ここでは、ストッキングを履き心地の視点で選ぶ際の注目ポイントをご紹介します。

スッと脚通りの良いなめらかな履き心地を体感できる「ハイゲージ編み」は、一目では網目がわからないほど細かい密度で編まれた編み方のこと。ハイゲージ編みのストッキングは快適な履き心地を去ることながら、カバー力が高く色ムラができにくい点も大きな魅力です。

脚をすっきりきれいに演出してくれますよ。

夏場の暑い時期など長時間の着用によるストッキングの蒸れが気になる場合は、太もも丈やオープントゥのストッキングがおすすめです。これらは熱がこもりがちなヒップや足のつま先の通気性が良いため、ジメジメした不快な感覚に頭を悩まされることもなくなりますよ。

ストッキングの中で最も締め付けが気になるのは「脚のつま先」。5本指のストッキングは、そんなつま先の締め付けがなく自由に指を動かせるため脚が疲れにくいのが魅力です。さらに締め付けがないことで、臭いや蒸れまで軽減してくれますよ。

ストッキングを着用していて感じる一番の悩みは、「伝線」ですよね。そこで最後に、ストッキングの伝線を防ぐコツをご紹介します。

ストッキングの履き方でまず大切なのが、焦らずゆっくり引き上げていくこと。足首からふくらはぎ、太ももと上に上がるにつれて太くなる足の太さに合わせてストッキングをたぐり寄せ、腰まで引き上げたら全体を手のひらで慣らしましょう。

ストッキングを伝線させず最も長く愛用するために一番良い洗濯方法は、「手洗い」です。ぬるま湯で丁寧に押し洗いをすると、生地を傷めることなく汚れを落とすことができます。一方洗濯機を使用する場合には、「漂白剤を使わない」「乾燥機を使わない」「絞らない」の3つを順守すると良いでしょう。

ストッキングは縛ってしまと網目が変化して生地が傷んでしまうため、小さくたたんで保管するのがおすすめです。つま先部分から腰に向かい数回にわたって折りたたむのも良いですし、くるくる回してロール状に折りたたむ方法も◎。

畳み方のコツとして、最後にパンティ部分を裏返してストッキング全体を包んでおくと生地の薄い脚部分を生地の厚いパンティ部分がカバーしてくれるのでおすすめです。

むくみが気になるという人には、着圧ストッキングがおすすめ。以下の記事では、市販で購入できる着圧ストッキングについてより詳しく紹介していますので、ぜひ読んでみてください。

いかがでしたか。ストッキング選びに悩んでいたという人も、本記事を参考に自分好みのストッキングを手に入れてくださいね。