冬の時期は外の冷気により家の中全体が冷えてしまうことが多く、トイレなどは特に暖かい空気が届かずに温度が下がってしまいます。そんな時、トイレにヒーターがあればメイン暖房の代わりをしてくれるので、朝や深夜の寒々としたトイレを快適にしてくれます。

しかもトイレヒーターを使うことは、寒いトイレを暖めて気持ちよくすること以外にも、次のようないくつかのメリットがあることを、忘れてはいけません。

暖房の効いた室内から冷えたトイレに移動すると、温度の差から血圧が急激に変化して心臓に負担がかかってしまいます。この現象を「ヒートショック」といい、特に高齢者や高血圧の人にとって、心筋梗塞や脳血管障害といった症状を引き起こす危険があります。

ヒートショックによる危険を予防するためにも、ヒーターでトイレ内を暖めることはとても重要です。特に高齢者のいる家庭では、トイレヒーターは必需品といえるかもしれません。

トイレヒーターの多くはコンパクトで場所を取らないのが特徴です。そのため家庭のトイレ内にも十分収まりますし、軽量なものも多いので持ち運びにも便利と様々なシーンで活用できます。

また、メイン暖房でカバーしきれない、温風の届きにくい場所でもピンポイントで暖めることができます。

トイレヒーターは商品の種類が多いからこそ、購入時には各家庭に合ったものを選ぶことが大切です。タイプやサイズの違いはもちろん、様々な便利機能や安全機能など快適性を出すためのこだわりもあるのです。

トイレヒーターは大きく分けて3つのタイプに分かれていて、性能や置く場所によってどれを選ぶべきかが変わります。そのため、購入前には自宅のトイレスペースのことをしっかりと考えるようにしましょう。

セラミックファンヒーターは電気の力で温風を発生させ室内を暖めることができます。セラミックが発する熱を利用して温風を送り、ファンにより空気を循環させ室内全体へ空気が届くよう作られているのです。

エアコンや石油ストーブなどに比べると温風機能は弱いですが、トイレの空間であれば十分に暖めることが可能です。また、排気ガスが出ないので室内の空気を汚すこともないですし、燃料補充の手間もかからず早く温風を出せるので便利です。

実際にトイレに置く場合にはコンパクトで暖房能力に優れたものがおすすめです。

パネルヒーターは遠赤外線による輻射熱で室内を暖めます。セラミックファンヒーターとは違って温風は出ませんが、その分空気を汚すこともなく燃料補充も必要ないので、スイッチ一つで誰でも簡単に扱うことができます。

また、薄型なので場所を取ることもないですし、電源を入れてから暖かくなるまでが早いので使い勝手も良いです。表面がパネルに覆われているため転倒してしまっても火事に繋がる恐れもなく、小さな子供やペットがいる家庭でも安全です。

​壁掛けヒーターは壁に直接取り付けて使う電気ストーブのことで、床に置くタイプよりも設置場所の自由度が高いのが特徴です。また、運転中にぶつかって倒してしまったりする危険もありません。子供の手の届かない高さに設置できて安全です。

設置には大掛かりな工事などは必要なく、ネジでとめて固定するだけで良いので簡単です。また、温風と冷風の両方を備えている機器が多いので、オールシーズン設置したままにしておいても、快適に使えて便利です。

トイレヒーターを選ぶ際には自宅のトイレ内のスペースをよく確認して選ぶことが大切です。スペースに収まらない大きさのヒーターを買うと使えないません。

足元をきちんと暖めるためにも邪魔にならない適切な位置に置けるように考えましょう。また、基本的に電気で動くためコンセントに電源コードが届くかどうかも考える必要があります。

トイレにいる時間はそれほど長くないので、トイレヒーターに速暖性があるとすぐに暖まって便利です。電源を入れてから室内が暖まるまで時間がかかるとストレスにもなるし、狭い空間とはいえ、寒い時期は温度がかなり低下しているので重要です。

セラミックファンヒーターやパネルヒーターは、どちらも部屋を速く暖めることが可能ですが、速暖性に限ればパネルヒーターの方が優れています。より効率的に暖めたい場合は空気が出る部分やパネルの広さ、出力数の大きさに注目する必要があります。

トイレヒーターの多くは手動で操作する設計になっていて、電源のオンオフを切り替えるだけのシンプルさが特徴です。

ただ、室温や寒さに対する感じ方は使う人によって様々なので、温度調節機能が付いている方がより快適に使えます。出力を2段階から4段階ぐらいまで自由に調節できる製品があるので、快適さを求める人は、チェックしておきましょう。

トイレに出入りするたびに電源をオンオフするのはとても面倒ですし、だからといって電源を入れたままにしておくのも電気代がもったいないです。そんな時には人感センサー機能が付いているトイレヒーターを選ぶのがおすすめです。

人感センサーがあれば人の動きを感知して自動で電源のオンオフを行ってくれるので、トイレを出る際に電源を切り忘れるといったこともなく安心です。

小さな子供やお年寄り、ペットのいる家庭では安全設計がきちんと考えられているかがとても重要です。中でも転倒時に転倒時自動電源オフ機能は便利で、トイレヒーターを倒してしまった時に発火したり火傷を負うなどの事故を防いでくれます。

また、チャイルドロックや過熱保護機能も安全面では大切で、誤った操作による不具合や必要以上に部屋を暖めて体調を悪化させるといったことを防止できます。他にも、予定時間が過ぎたら電源が切れるタイマーなどの便利な機能があります。

セラミックファンヒーターやパネルヒーターはコンパクトで使い勝手が良いですが、製品によっては予想以上に電気代がかかることがあります。そのため、省エネ機能が搭載されているかも確認しておきましょう。

出力の強弱や温度設定、タイマーなどは電気代の節約につながりますし、中には少ない電力でも室内を十分に暖めてくれるエコ運転機能を備えている製品もあります。

トイレヒーターを選ぶ際のポイントをいくつか示しましたが、要するに、トイレヒーターは狭いトイレというスペースにおいても邪魔にならず危なっかしくない小型のヒーターであることを忘れてはいけません。

「安全な電気式のヒーターをトイレで使う」ことを考えると、以下の記事もトイレヒーターを選ぶ際の参考することができます。この記事とあわせてご覧ください。

トイレヒーターの扱いで大切なのは火事にならないよう注意して使用することです。安全機能が付いているから安心ということはなく、誤った使い方をすれば火事を引き起こしたり火傷を負ったりと様々な危険性があります。

中でもセラミックファンヒーターは特に注意する必要があります。ヒーターの上に服や紙を乗せたまま起動したり空気の吸気口をふさいでしまっていること、電源コードが痛み導線がむき出しになっている状態は火事に繋がる可能性があります。

また、ヒーターの吹き出し口近くに長くいると設定温度によっては低温火傷をしてしまうこともあるので、温度や運転時間を考えて使うことも大切です。

トイレヒーターは小型で安全性が高く、少しの電力で室内をすぐに暖めてくれる便利な家電として人気です。家庭に一台持っておくと秋から冬の時期には特に役に立つので、気になっている方は今回の記事を参考にぜひ自分に合った商品を見つけてみて下さい。