ハワイを代表する楽器の1つであり、陽気で温かみのあるサウンドでフラダンスの伴奏としても用いられることが多い「ウクレレ」は、木製ボディに4本の弦で構成された弦楽器です。

他の弦楽器に比べて小型であるため、持ち運び・セッティングが簡単で手軽に演奏しやすく、初心者でもソロ演奏・弾き語りなどといった多彩な演奏スタイルに挑戦することができるのが魅力的です。

ウクレレの種類には大きく分けて4種類あり、それぞれで音の高さ・表現の幅が異なっているのも特徴といえます。伴奏の際には「コード」と呼ばれる専用の記号を使うため、楽譜が読めなくても挑戦することができるため、初心者にもおすすめの楽器といえます。

他の弦楽器に比べて小型で扱いやすいことから男女問わず人気が高い「ウクレレ」ですが、一見同じデザインに見えてもブランドやモデルによって使いやすさが変わってくるのです。ここでは、ウクレレ初心者必見の「自分に合ったウクレレの選び方」についてまとめていきます。

一見同じように見えるウクレレですが、種類によって大きさはもちろん、表現できる音や演奏スタイルなども変化するといわれています。そのため、ウクレレ初心者は特に各種類の特徴をおさえておくことで、より自分に合ったウクレレを選びやすくなります。

初めてウクレレを演奏する初心者や、手軽に扱いやすいモデルを探している人におすすめしたいのが「ソプラノ」と呼ばれるタイプのウクレレです。ソプラノは数ある種類のウクレレの中でもポピュラーなものであり、弦の長さが34.5cmと小型になっているのが特徴です。

ウクレレ本体も手になじみやすい大きさのため、手の小さな人でも演奏しやすいのが魅力的です。価格帯がリーズナブルである分、複雑な演奏スタイルには不向きではありますが、跳ねるような軽やかな音による演奏ができます。

他の種類と比べて音の伸びがないため、ソロでの演奏よりも伴奏として使われることが多いとされています。初心者はもちろん、練習用のウクレレを探している人におすすめです。

「ソロ演奏・伴奏問わず使えるウクレレが良い」という人や、ソプラノウクレレでは物足りないと感じる人におすすめなのが「コンサート」と呼ばれるタイプのウクレレです。コンサートは弦の長さが38.2cmとソプラノより一回り大きく、深みのあるサウンドが特徴です。

モデルやブランドによって演奏中のホールド感が少しずつ異なりますが、全体的に大きさ・音質ともにバランスが良く、伴奏はもちろんソロでの演奏でも存在感が出せるのが魅力的です。ネック部分が長いため、男性・手の大きな人におすすめできます。

「演奏性の高いウクレレが良い」という方や、本格的にウクレレを始めたいと考えている人にぴったりな種類です。

これまで他の弦楽器やウクレレを演奏したことがあるという経験者や「多彩な表現を楽しみたい」という人におすすめなのが「テナー」と呼ばれている種類のウクレレです。テナーはハワイ国内・プロの奏者の間で最もポピュラーなタイプとされています。

数あるウクレレの種類のなかでも比較的大きいサイズであり、弦の張りが強いという点が特徴的です。ソプラノ・コンサートと比べて音の深みがあるため、より多彩な表現が可能となっています。

初めてウクレレに触れる人にとっては、チューニング・演奏の際に扱いづらく感じる場合もあるため、ウクレレ経験者・2本目のウクレレの購入を考えている人におすすめです。

低音を用いた演奏をする時や、ギターを用いた演奏をしたことがある人におすすめなのが「バリトン」と呼ばれているタイプのウクレレです。バリトンは数あるウクレレの種類のなかで最もサイズが大きく、重低音の演奏に適しているのが魅力的です。

音の高さを変化させる「フレット」が19以上あるため、ギターに近い感覚で演奏することができますが、チューニング方法やコードの押さえ方が他のウクレレとは異なっているのが特徴といえます。

ウクレレは本体や各パーツに用いられている木材によって、見た目のデザインや雰囲気はもちろん、価格・音の響き方なども変化します。ウクレレ選びの際にコストパフォーマンスを重視したい人は特にウクレレに使用している素材にも注目しましょう。

「ウクレレは最もポピュラーな素材のものが良い」「安心して使えるものが良い」という人におすすめなのが「コアウッド」という木材を使用したウクレレです。コアウッドとは「アカシアの木」から採れる素材であり、ウクレレに最も多く用いられています。

ハワイ国内では家具などにも用いられるほどに耐久性・扱いやすさともに高く評価されており、ウクレレにおいては特徴的な硬さを活かした歯切れのいい軽快なサウンドでの演奏が魅力的です。

他の木材を用いたウクレレに比べて価格帯が高めになっているため、ウクレレ経験者や「ウクレレは出来るだけ長く使いたい」という人におすすめできます。

ウクレレ選びにおいてコストパフォーマンスを重視したい人におすすめなのが「マホガニー」という木材を用いたウクレレです。マホガニーとは北アメリカ・西インド諸島に生息する木材であり、ウクレレだけでなくギターなどの弦楽器にも用いられています。

コアウッドと比べると加工がしやすいことから、コストパフォーマンスが高い木材とされています。しなやかで柔らかいという特徴を活かした伸びのあるサウンドが魅力的であり、価格帯も安いため、ウクレレ初心者にもおすすめです。

ウクレレには様々なブランドから展開されており、ブランドによってデザインや価格帯などが異なっています。音の響きや扱いやすさも違ってくるため、自分の好きな演奏スタイル・予算に合ったブランドを選ぶことが大切です。

ハワイ発のウクレレブランドの1つであり、美しい木目と軽やかな音が魅力的なのが「KoAloha（コアロハ）」です。歴史あるブランド「Kamaka」と同等の高い人気を誇っており、初心者・経験者問わず使いやすいウクレレといえます。

より楽な演奏・安定性を重視した独自の形状をしたパーツが特徴であり、なかでも湿度の影響を受けやすいボディ部分は「ブレーシング」と呼ばれる伝統的な形状とアーチ型を組み合わせているため、安定した音を出すことができるのが魅力的です。

装飾が少ないシンプルなモデルから、カラーバリエーションや装飾にもこだわられた可愛らしいデザインのモデルまで様々なものが展開されているため、ウクレレ初心者はもちろん、デザイン重視の人にもおすすめできるブランドといえます。

ハワイを代表するウクレレブランドであり、1世紀近い歴史を持っているのが「Kamaka（カマカ）」です。多くのウクレレ奏者にも愛用されているこちらのブランドでは、ソプラノ・コンサート・テナー問わず演奏スタイルに合わせた様々なデザインが展開されています。

伝統技術により生み出された多彩な音表現に対応しており、各弦の作りにもこだわられているため、伴奏・ソロ演奏・録音などの多彩な楽しみ方が可能です。価格帯は他のウクレレブランドに比べると高めではありますが、初心者・経験者問わず手に取りやすいブランドです。

1995年にスタートして以降、初心者・経験者問わず多くの人に愛されているブランドが「Famous（フェイマス）」です。日本発のウクレレブランドであり、演奏時の力加減が不安定なウクレレ初心者でも扱いやすいように各パーツのセットアップがされているのが魅力です。

「弾きやすさ」にとことんこだわっており、単板と合板のそれぞれの特徴や強みを持った「3層構造（トリプルレイヤード）」を採用しているのも特徴といえます。モデルごとに異なる芯材を使用しているため、様々な音質を楽しみたい人におすすめのブランドといえます。

日本全国に展開している総合楽器店『島村楽器』が手掛けるオリジナルブランドが「COTONE（コトネ）」です。

こちらのブランドのウクレレは、世界でも希少な木材であるトーンウッドをはじめとした多彩な木材を用いており、伝統技術によってハワイアンスタイルだけでなく、より多彩な音楽ジャンルにチャレンジできるようにデザイン・構造にこだわられているのが特徴といえます。

「COTONE」と同様『島村楽器』が手掛けるオリジナルブランドの1つであり、初心者でも気軽に楽しんでもらえるようにこだわられたモデルを多く展開しているのが「Hanalei（ハナレイ）」です。

購入後すぐに始められる「初心者セット」も多く販売しており、他のブランドにも劣らない高いスペックを持ちながら価格帯が大変リーズナブルになっているため、これからウクレレを始める人にもおすすめのブランドといえます。

お気に入りのウクレレを購入したら「すぐにでも演奏を楽しみたい」と考える人は多いですが、ウクレレを演奏する時のコツをおさえておくことで、より多彩な演奏スタイルを楽しむことができるようになります。ここではウクレレの楽しみ方・演奏のコツをまとめていきます。

ウクレレ初心者の多くが悩みがちなのが「コードが上手く鳴らない」という点です。上手く音が鳴らないのは「弦を押さえる時の力が弱い」ことが原因とされており、音の高さを変える「フレット」の近くを押さえることが演奏のコツといえます。

フレットの近くを押さえることで、弦を強く押さえなくても安定した音を奏でやすくなるため、手の力に自信がない人でも簡単かつ手軽に演奏することができます。

また、コードを鳴らす時には指を立てて押さえることで、鳴らしたい音に必要のない弦に指が当たることを防ぐことができるため、よりはっきりした音を出すことが可能です。

ウクレレの演奏時には、ギターなどと同様に独自のコードが用意されていますが、ウクレレ初心者は数あるコードのなかでもC・F・G7という3つの基本コードを重点的に練習することで、幅広いジャンルの演奏スタイルにチャレンジしやすくなります。

基本コードを用いている曲には童謡・唱歌が中心となっており、テンポなども比較的ゆっくりであるものが多いため、ウクレレの練習にもぴったりです。

本屋などにはウクレレの練習曲をまとめた教本も多く販売されているため、自分が分かりやすい・読みやすいと感じる本を使って練習するのもおすすめです。

陽気なサウンドで屋内・屋外問わず手軽に楽しめるウクレレは、今回ご紹介したモデル以外にも様々な性能・工夫が施されたモデルが多く存在しています。これから楽器に挑戦しようという人はぜひ、小さくて演奏しやすいウクレレから始めてみましょう。