伊坂幸太郎作品の人気おすすめランキング25選【最新作のAXも】

2020年2月に『AX』を発売して、注目を集めている伊坂幸太郎。今回はそんな伊坂幸太郎のおすすめ作品をランキング形式でご紹介します。選ぶときのポイントや読む順番も!コメディ・ミステリーなどのジャンルや映画化された作品など、特徴別に見やすくご紹介しています。参考にしてください。

伊坂幸太郎作品の作風

幻冬舎

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

とある街頭アンケートを青年は、街行く人にお願いしながら書いてもらっていました。断れるが多い中、立ち止まって書いてくれた女性の手の甲に書かれてたシャンプーという文字を何気に声に出してしまった青年。安いんですよと世間話をした2人。

 

ここで終わりだったはずの2人の出会いが、どう繋がるのか…青年と周りの出会いが緩やかに繰り広げます。斉藤和義のオファーから生まれた作品です。歌詞は書けないけども、小説家だからと書き始めた初めての恋愛小説は、短編小説になっています。

 

この作品は、三浦春馬が3年ぶりに主役を務めたとして話題になりました。伊坂幸太郎が、斉藤和義を恩人と言っているので読んでみる価値ありです。

伊坂幸太郎が分からない人でも、昨年映画になった三浦春馬さんと多部未華子さんが出演していた「アイネクライネナハトムジーク」と聞けばピンとくるのではないでしょうか?この作品は、伊坂幸太郎の唯一の恋愛小説になります。

 

主題歌を唄う斉藤和義から出逢いをテーマに曲の歌詞を書いてくれないか?から出来上がった作品なのは有名な話です。初めての恋愛を短編で創り上げていきますが伊坂幸太郎は、斉藤和義を恩人と言っています。

 

そんな伊坂幸太郎は小説のジャンルで言うと、ミステリー作家です。ただ伊坂幸太郎の作風は、通常のミステリー作家と違い先が読めない作風をポリシーとしています。1つの作品の中で、それぞれの人物によるものと過去現在で視点が変わるものになります。

 

犯人だと思っていると違ったとか、最初の伏線を最後で回収とか、散りばらめられた伏線が多く最後まで分からないドキドキ感は楽しいです。パズルを少しずつ埋めていき最後にピースがハマった時のスッキリ感は素晴らしいものです。

実業之日本社

砂漠 (実業之日本社文庫)

仙台市の大学に進学した春に何事にも冷めた北村は、少し軽薄な鳥井・不思議な力が見える南・とびきり美人の東堂・極端に熱い西嶋の学生4人に出会った。麻雀や合コンに励み、犯罪者だって全力で追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと小さな奇跡で出来ていた。

 

実業之日本社限定の書下ろし付きで、明日の自分が愛おしくなる一生モノの物語です。伊坂幸太郎さんが語っていますが、ファンの間でも砂漠は特に人気で作者なのに意外と話しています。

 

この作品はメインメンバーが5人いることが味になります。5人の絶妙な距離感が面白く最初の印象と最後の印象が変わっていくのが良いものです。ライトノベルっぽい表紙ですが、伊坂幸太郎ワールドは健在の作品です。

伊坂幸太郎の作品には実際に伊坂幸太郎さんが住む仙台付近が舞台になっていたりします。また伊坂幸太郎の作品の特徴として、シリーズではないのにも関わらず違う作品に出ていた人物が普通に出てきます。 手塚治虫さんが最初行ったのではないかと言われている手法で、漫画家が使うのはよく見かける手法のスターシステムというものです。しかし小説家では、スターシステムを取り込んでいる人は珍しいかもしれません。 作品によっては影響を及ぼすので、人物に対して持つイメージが変わったりして最初は難しいかもしれません。しかし、視点が変わり時空が変わり面白いです。「ラッシュライフ」「重力ピエロ」の人物たちは他の作品でも登場します。 ミステリー作家と言いながらも、恋愛・コメディー・エッセイと色々なジャンルを書いている伊坂幸太郎は大変おすすめです。今回は伊坂幸太郎作品の選び方やおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。購入を迷われてる方はぜひ参考にしてみてください。

伊坂幸太郎の最新作『AX』はこちら

KADOKAWA

AX アックス (角川文庫)

恐妻家の妻を持つ子煩悩な三宅は、文房具メーカーの社員として家族を守るために働く普通の男です。そんな三宅の裏の顔は、腕利きの殺し屋「兜」です。ごく普通の幸せを手に入れた兜は家族のために足を洗おうとします。

 

しかし組織から出された最後の仕事は、初めて出来た友人の暗殺。暗殺が出来なかった兜は、家族を守るために死を選びます。それから月日が経って結婚して家族を持った息子・克己は、父の死に疑問を抱いて真相を探っていきます。

 

死の真相が紐解くにつれて、父親の人間愛を知るのです。克己は、不器用ながらも大切な人を守るために生きた父親の姿を垣間見ます。父親に守ってもらった友人は、しっかりと普通の日常を生きていた。

 

殺し屋の話は、シリーズになっています。こちらで3部作目。腕利きの殺し屋なのに奥さんが怖い兜。日常を大切にしていたからこそ、殺し屋の世界から抜けようとした兜が守ったものとは?怖い作品ではなく、心温まる作品になっています。

最新作の「AXアックス」は、殺し屋の話です。「グラスホッパー」「マリアビートル」「AX アックス」と続くシリーズものです。伊坂幸太郎にしては珍しいシリーズ作品です。シリーズだからと言って前作から繋がっている主人公は存在しません。

 

殺し屋という職種が一緒というものです。伊坂幸太郎ワールド全開なので、ゆるく共通する人物は出てきます。しかし殺し屋の話だからと言っても悲壮感は感じられず、最後は心が温まるような作品です。そんな「AXアックス」を簡単に紹介します。

 

今までに恐妻家の妻を持つ子煩悩な三宅は、文房具メーカーの社員として家族を守るために働く普通の男です。そんな三宅の裏の顔は、腕利きの殺し屋「兜」です。ごく普通の幸せを手に入れた兜は家族のために足を洗おうとします。

 

しかし、組織から出された最後の仕事は初めて出来た友人の暗殺。暗殺が出来なかった兜は、家族を守るために死を選びます。それから月日が経って結婚して家族を持った息子・克己は、父の死に疑問を抱いて真相を探っていきます。

 

死の真相が紐解くにつれて、父親の人間愛を知るのです。「AXアックス」を読んだ人の感想は、兜の殺し屋としての姿よりも妻を怖がり子のために授業参観に行くような父親の人間臭さを気に入っています。

 

もちろん伊坂幸太郎ワールドとして伏線がいっぱいなので、最後まで面白い作品となっている「AXアックス」を読んでみてはいかがでしょう。

殺し屋シリーズの最高傑作かもしれない…!! 「家族は大事だけどその他の人の命は奪う」ような人間だと言われたらそれまでなんだけど。兜はどう考えても悪い人には思えない。そしてそういう人間を描くのが、伊坂さんはうまいのだ。  兜が最後どうなるんだろう、と考えていたら唐突に、兜がこの後死ぬことを知らせる一文。兜の結末を持ってこない構成、淡々とした死の伝達に、巧さを感じたなあ。

出典:https://bookmeter.com

暗殺者シリーズの続編。恐妻家の主人公がとても人間臭くてとても好きになった。こういうキャラクターの作り方は伊坂さんとても上手。そうやって好きになったと思った主人公が突然自殺してしまう。驚きだったけど、10年後に息子が真相に辿り着いてくれる。物騒なことをやってるのにとても暖かい物語で、主人公が幸せだったことがとても嬉しく思う。

出典:https://bookmeter.com

「最高傑作」と書棚にあって手にとった一冊。なんだか憎めない殺し屋で恐妻家の兜と、その家族の物語。はじめは兜の視点がピンと来ず(奥さんに怖がりすぎ..笑)だったけれど、中盤からの展開は驚きました。人には優しくするものだ、そして家族って良いね。自分たちと少し違う目線で生きている主人公を描く、伊坂さんらしい伏線の数々が張り巡らせされた物語。

出典:https://bookmeter.com

伊坂幸太郎作品の選び方

ジャンルで選ぶ

集英社

仙台ぐらし (集英社文庫)

「仙台学」に連載されたものを中心としたエッセイ集。書き下ろし短編小説「ブックモビール」が特別収録されています。この作品、実はエッセイと言いながら、小説っぽい作品です。

 

そこは本人が「当初、目論んでいたのは、エッセイに見せかけたフィクションであった」と述べているので小説と感じても間違いないではないです。自身は大きな被害に合わなかったと語ってますが、東日本大震災にも触れています。

伊坂幸太郎といえば人気の作品がミステリーばかりなので、ミステリー作家と思われています。しかし伊坂幸太郎は、コメディーや恋愛小説やエッセイも手掛ける小説家なので様々なジャンルに精通しています。

 

基本長編小説ばかり書いている伊坂幸太郎ですが、短編小説も手掛けているので読書の習慣がない人でも読みやすいこと間違いありません。ミステリー作家だからと敬遠せずに他のジャンルで伊坂幸太郎ワールドを感じてみてください。

コメディー

新潮社

オー!ファーザー (新潮文庫)

6人家族なのに家族構成が面白い。母一人、子1人なのは良いとして父親が四人も居る。ギャンブル好きな鷹、女性にやたらともてる葵、中学校教師でスポーツ万能な勲、クールで博識な悟。

 

そんな、とびっきりアクが強い父親達。今回その一人と一緒に出掛けたら、とんでもない事件に巻き込まれてしまう。伊坂幸太郎の伏線回収が楽しい「オー!ファーザー」です。今までのミステリー作品とは違って、ボケツッコミに笑いながら読める作品になります。

伊坂幸太郎の作品はミステリーでも、ユーモアたっぷりの人物が出てきます。なのでミステリーだからと悲観的にならないのが伊坂幸太郎の作品です。しかし伊坂の作品の中で、このユーモアの特徴が活かせてコメディー要素が強い作品もあります。

 

それが「陽気なギャングが地球を回す」「オ!ファーザー」です。「陽気なギャングが地球を回す」は、人を傷つけないをポリシーとする銀行強盗4人組だけど、初めて逃走中の現金輸送車強盗犯に横取りされてしまいます。その奮闘が楽しい作品です。

 

「オ!ファーザー」は、母の1人子1人なのに父親が4人もいる摩訶不思議な家族。アクの強い父親達の1人と出掛けたことで巻き込まれる事件と親子の掛け合いが面白い作品です。ミステリーが苦手な方ならば、個性あふれた人物が出てくるこの2作品はいかがでしょう。

ミステリー

角川書店(角川グループパブリッシング)

グラスホッパー (角川文庫)

元教師の鈴木は、奥さんをひき殺した犯人の寺原に近づくために寺原の父親が経営する違法会社に勤めます。しかし復讐に来たことを疑われた鈴木は、先輩社員に誘拐した男女を殺してみせろと脅されます。

 

その場を見るために現れた寺原の長男は、鈴木の目の前で誰かに押されて車道に飛び出しひかれてしまいます。鈴木は、この長男を押した犯人を追跡することになりました。結果的に鈴木は復讐に踏ん切りをつけ、前向きに生きようと新しい生活を始めます。

 

殺し屋シリーズの1つになります。殺し屋の中に元教師という素人が入り込んでいくのは、無茶があります。案の定、最初から疑われてしまいますが最愛な人を失った鈴木の流れに任せながらも強くなる姿には、こちらがホッとしてしまいます。

 

殺し屋シリーズの中では重めの内容です。この作品は、映像化にもなった作品で主人公を生田斗真さんがやっています。山田涼介さんも出演されていて、普段の作品と違った重い一面が見れるかもしれません。

 

しかし演技派の2人が参加しているので、小説だけでなく映像化の「グラスホッパー」も観てはどうでしょう。この作品で新人賞を受賞した山田涼介さんの演技を観てみるのも、違った見方で楽しいかもしれません。

伊坂幸太郎を語る上で、ミステリーを外すことはできません。デビュー作の「オーデュボンの祈り」から始まり、「グラスホッパー」「ゴールデンスランバー」「重力ピエロ」は、ミステリーランキングの上位に入るくらいのものです。

 

その中でも「重力ピエロ」は伊坂幸太郎のミステリーを始めて触れる方には、おすすめです。「重力ピエロ」は伊坂幸太郎が暮らしている仙台が舞台になっていて、イメージしやすい作品です。

 

そこで行われる連続放火事件。放火現場には必ず奇抜なグラフィティアートが描かれていた。市内に描かれたグラフィティアートを消すことを生業にしている弟の春と遺伝子に関することを企業に勤めている兄の泉水。

 

彼らは過去に傷がある兄弟だけど、春にとって泉水がいることで越えてこれた過去。そんな2人が事件に興味を持ち謎解きを始める。グラフィティアートと遺伝子ルールの奇妙なリンクを見つけ出した時の先は、どうなるのでしょうか。

 

放火と遺伝子と強姦という難しい題材に取り組んだ作品です。放火をしているルールに気付いた際の父親と兄弟の血の繋がりなど関係なくて、時間が意味を成すって分かる瞬間に救われる弟の心模様など引き込まれます。

長編か短編かで選ぶ

集英社

終末のフール (集英社文庫)

「8年後に小惑星が衝突して、地球が滅亡する」と予告されてから五年が過ぎた。そんな頃、当初はパニックが起こっていた世界も、今や忘れたかのように平穏になっていた。仙台北部の団地「ヒルズダウン」の住人隊と同じだった。

 

余命3年の時間の中で人生を見つめ直す彼らは、家族の再生、新しい命への希望、過去への思い出に物耽っていました。果たして終末を迎えることが決まった人間にとって、幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。

 

短編小説なだけあって、複数の視点で話が進みます。地球滅亡があるとしたら?というのは横に置いといて、人それぞれに生き様があることを見せつけられる作品です。その上で終末をどう迎えるか?を考えるような、今の生き方を大事にしようと思わせる作品です。

長編か短編かで選ぶのも、一つの手です。もともと読書が好きな方は、時間を掛けてじっくり読むのが好きな方が多いでしょう。また読書が苦手な人にとって、長編となると身構えてしまって本から遠ざかってしまいますが、短編だと敷居が低くなります。

 

また短編は、ちょっとした時間で簡単に読めるので少しずつ本に触れられるのではないでしょうか。長編短編それぞれの好みで選んでみてはいかがでしょう。伊坂幸太郎の作品は長編が多いですが、短編の作品もあるので紹介します。

区切りをつけて読める「短編」

講談社

サブマリン (講談社文庫)

家裁調査官の陣内は、部下の武藤とコンビを組んで脅迫事件を起こした少年の俊を試験監察で大忙しです。自宅に面会に行った武藤は、パソコンが得意な俊が見ていたネットの書き込みが気になり陣内に相談します。

 

陣内達の行動力で小学生襲撃事件を未然に防ぐことが出来て、一晩にして時の人になった陣内でした。以前に陣内が更生させた元少年が挨拶に来たことによって、次なる事件に巻き込まれるのでした。

 

伊坂幸太郎にしては、珍しく「チルドレン」の続編になります。陣内の友人の盲目の永瀬は「チルドレン」では、恋人同士だった彼女と今作では夫婦になっています。繋がりがある人が出てるではなく、「チルドレン」に出ていた人達がそのまま出ています。

 

なので「チルドレン」を知っている人にとっては、懐かしい人達に会えた嬉しさを感じる作品です。ぜひ、この作品「「チルドレン」とセットで読んで欲しいです。

長編作品ばかりの伊坂幸太郎が描く短編作品は、短編集みたいになっているのが特徴です。作品は「チルドレン」「死神の精度」「アイネクライネナハトムジーク」などが挙げられます。特に「アイネクライネナハトムジーク」は去年映画化された作品です。

 

伊坂幸太郎の作品の中では、珍しく恋愛ものになります。今まで避けてきた恋愛ものを手掛けたのは、この映画の曲を担当している斉藤和義さんのオファーがキッカケです。ミステリーは苦手という人でも読みやすいかもしれません。

「長編」もテンポが良くて読みやすい

実業之日本社

フーガはユーガ

常盤優我と常盤風我は、2時間差で生まれた双子の兄弟。幼い頃から父親に暴力を振るわれていた2人は、不思議なことに殴られている僕を眺めている僕がいるということ。そう双子には不思議な能力が授かっていた。

 

発動条件は「誕生日であること」「2時間おきに必ず入れ替わるということ」だった。顔がそっくりな一卵性双生児だから入れ替わっても気付かれない。この能力で双子は、ヒーローになる。

 

伏線が沢山あり、最後まで飽きない作品です。双子はヒーローであることで、心の穴を埋めていた。父親という呪縛に繋がっていた双子が自由になり、人を助けていくことで自分を保ていたのは寂しい気もします。最後はヒーローが勝つというのでスッキリした作品です。

伊坂幸太郎さんの作品は、ほとんどが長編作品です。しかし長編だからといって飽きることなく、伏線がアチコチに隠れているので最後までテンポよく読んでいけます。伊坂幸太郎ワールド全開で先が読めないのも、楽しいものになります。

 

そんな伊坂幸太郎さんの作品で迷ったならば、デビュー作の「オーデュボンの祈り」から順番に読んでいくのも良いかもしれません。この作品は他の作風と違って、ファンタジーでシュールなものになります。

 

まとまりがないと思っていたことが繋がっていくのは、伊坂幸太郎ならではです。デビュー作とは思えない読みごたえに驚くこと間違いなしです。

あらすじで選ぶ

平和警察が設置した防犯カメラによる監視で「安全地区」に指定された仙台が舞台。危険人物を密告する互いを監視している住民たち。一度危険人物にされると無実でも酷い尋問をされて、ギロチンで処刑される。

 

そんな理不尽な平和警察に立ち向かうのは、全身黒ずくめの「正義の味方」です。平和警察の中でも争いが生まれて、誰が敵か味方か分からない中、仙台の街に平和は訪れるのだろうか。

 

作品の内容は、ダークな部分が強い作品です。しかし、主人公の久慈が正義感で動いているのは応援したくなります。たくさんの伏線を回収した最後のどんでん返しは、相変わらず楽しいです。タイトルで引き込まれたけども、内容が違うのも伊坂幸太郎ワールドです。

あらすじを読んで選んでみるのも、一つの手です。苦手なジャンルだと思っていても、あらすじに引き込まれて読んでみたら面白かったというのもあります。あらすじで引き込まれてしまうか、引き込まれないかで自分に合う作品なのか分かるのではないでしょうか。

 

あらすじで読んでみることで、選ばなかったジャンルに触れてみたりと自分の視野が広がるかもしれません。今までは選ばなかったジャンルに触れることで、次から選ぶ枠が広がることでしょう。

裏表紙のあらすじを読む

朝日新聞出版

ガソリン生活 (朝日文庫)

望月家に所有されている緑のデミオの視点で描かれるミステリーです。ある日曜日20歳の大学生・望月良夫と弟の享がドライブに行った帰りに突然「助けてほしい」と車に乗り込んできたのは、元女優の荒木翠でした。

 

良夫が目的地まで送り届けた翌日に翠が、トンネル内で事故死する。本当に事故だったのか?翠を追い掛けていた芸能記者で出会ったことで、事件の謎に迫ります。仲良しな望月家、個性豊かな車達と愉快な会話、車の視点でストーリーが進んでいく斬新な物語です。

 

車の視点や人の視点で交差していく話は、物語の語り手が車という時点で斬新なもので興味深くミステリーのはずなのに面白い作品です。人間には気付かれないけれど、排気ガスが届く距離で車同士は会話をしているっていうのは自分の車もなのかな?と引き込まれます。

本屋さんで中身をパラパラと読めたら一番良いことですが、ビニールにしっかり包んであって読めなくなってる場合は裏表紙で選ぶのも良いかもしれません。裏表紙には、基本あらすじが書いてあります。

 

なので読んでみて、その作品を読みたいと思うか思わないかで決めてみるのもおすすめです。長編になると、あらすじで惹かれないものは途中で飽きてしまって読まなくなる確率が高いです。頑張って読んでも、残っていなかったりします。

 

それでは伊坂幸太郎さんの作風が、伏線がアチコチに隠れていて先が読めなくて最後までテンポよく読んでいけるものだとしても勿体ないです。人の評価も大事ですが、自分の感覚を大事にするのもおすすめです。

無料の試し読みができるものも

新潮社

ホワイトラビット

反社会的勢力の一員として数々の誘拐事件に関わってきた兎田は、ある日自分自身の妻が誘拐されてしまいます。妻を無事に取り返す条件としてボスから、組織の裏切り者を生きたままで連れてこいと言われます。裏切り者が潜伏しているはずの仙台に兎田は訪れます。

 

しかし行き違いのように裏切り者は不運な事故に巻き込まれて亡くなった後です。このまま帰ったら妻がどんな酷い目に会うか分からないので、嘘の立てこもり事件を起こすのです。立てこもり事件で犯人役の兎田は、妻のために動き出します。

 

伊坂幸太郎の作品で、お馴染みの黒澤が出てきます。いつものように空き巣に入った先で、予想外に事件に巻き込まれていきます。裏社会の黒澤ですが、困った人に手を差し伸べるお人好しさんです。

 

誘拐を手伝ってた兎田ですが、自分の妻が捕まったことで組織と戦います。悪のはずなのに応援したくなるような兎田や黒澤の活躍が面白い作品です。

 

 

本屋でパラパラと読めるものであれば、1ページだけでも試しで読んでみて続きが気になるか?ならないか?で購入を考えても遅くはありません。ネットで一番人気とされていた作品でも、試し読みしてみたら違ったというものもあります。

 

今はネットでも試し読み出来たりします。1ページほど試しで読んでみて自分の感覚で選ぶのもおすすめです。買って続きが読みたいとなる作品であれば、きっと徹夜して読み上げてしまうほど面白いはずです。

映像化されている作品で選ぶ

文藝春秋

死神の精度 (文春文庫)

音楽が好きな死神の千葉は、1週間かけて対象者と接触して死ぬべきなのか、生きるべきかの判断を下しています。生きるべきと判断されると天寿まで生きることが出来て、死ぬべきと判断されると不慮の事故などで命を落とします。

 

千葉は様々な人々に出会い、調査を進めていきます。その結果、生きるべきなのか死ぬべきなのか調査対象の運命を巡る物語です。

 

この作品は短編小説になるので簡単に読み進めれますが、伊坂幸太郎の世界全開なので読みごたえはバッチリです。死神の千葉は、クールで人間に馴染めない感じの人物で情などなく、人の生死を判断していきます。

 

しかし、音楽が好きだったり雨男だったり憎めない存在でもあります。この死神を中心として垣間見る人の不器用な生き方は、人間臭くて引き込まれます。また、この作品は映像化になっており主人公は金城武さんでクールな役どころにピッタリです。

 

伊坂幸太郎の作品の中には、映像化になった作品が多くあります。映像化されてしまうと評価が落ちてしまう作品が多い中で、伊坂幸太郎の映像化された作品は評価が高いです。書籍から作品に触れるのは苦手という方は、映像で作品を観てみるのもおすすめです。

 

映像化された作品の原作が気になって、小説を読んでみるのもいいのではないでしょうか。その中でも「アヒルと鴨のコインロッカー」は、実際に小説を読んでいたファンからも小説の空気感のまま映像化されたと話題になりました。

 

映像化されても評価が高く、一番人気の「アヒルと鴨のコインロッカー」を小説でも読んでみてください。映像化になった部分と少し違うところがあるかもしれません。その違いも楽しいものです。

伊坂幸太郎のおすすめコメディー5選

祥伝社

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

人を傷つけないをポリシーとする銀行強盗4人組。人間嘘発見機、演説の達人、天才スリ、正確な体内時計を持つ女は、無事に銀行強盗が成功したのだけど「売り上げ」を逃走中の現金輸送車強盗犯に横取りされてしまった。横取りされた現金を取り戻すべく彼らは動き出す。

 

伊坂幸太郎だからこそ出来る作品ではないでしょうか。コメディー要素たっぷりなのにミステリーも織り込まれている。だからと言ってシリアスではなくてギャング達がドタバタとトラブルを乗り越えていくユーモアに溢れた作品です。

 

伊坂幸太郎は、ミステリー作家というだけあってサスペンス系の小説が数多くあります。その伊坂幸太郎の作品の中でミステリーなどに属さないコメディー要素が大きいを紹介します。

 

コメディー要素としては「陽気なギャングが地球を回す」「オ!ファーザー」が、おすすめです。またコメディーというよりは人情味が溢れる「フィッシュストリー」「ポテチ」「Sweet Rain死神の鮮度」もおすすめです。

 

特に伊坂幸太郎でコメディーといえば「陽気なギャングが地球を回す」は外せません。ミステリーが苦手な人は、この5選を順に読んでみてるのも良いのではないでしょうか。

伊坂幸太郎のおすすめミステリー5選

東京創元社

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

椎名という大学生の現在と琴美という女性の2年前の過去が同時に描かれている。椎名は引越した先の隣人に本の泥棒を持ち掛けられて、断れず手を貸してしまう。その計画の後にペットショップの店長と隣人に2年前世間で多発していたペット惨殺事件の話をされる。

 

その事件と本の泥棒が次第に結びついていく。交差する過去と現在の伏線回収が、とにかく凄い作品です。そこが、こう繋がるのかと思わせるどんでん返し内容に、これぞ伊坂幸太郎ワールドという作品です。

ミステリー作家として有名な伊坂幸太郎なので、伊坂幸太郎の作品はすべてがおすすめです。その中でもミステリーとして手にして読みやすい「フーガはユーガ」「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランパー」「魔王」の5選を紹介します。

 

この5選は特に伏線がいっぱいで、バラバラだった繋がらないはずの話が最後1つに繋がっていく瞬間の興奮は忘れられません。この経験を一度でもすると、伊坂幸太郎の作品にハマること間違いなしです。

伊坂幸太郎のおすすめ短編作品3選

講談社

チルドレン (講談社文庫)

大学生の陣内はマスクを使った銀行強盗の事件で、鴨居と盲目の永瀬と出会う。月日は流れて、陣内は少年事件担当の家裁調査官になっていた。ある日万引きで捕まった志朗を在宅事件として、陣内の後輩である武藤が取り扱っていた。

 

なかなか打ち解けない志朗に武藤は、芥川龍之介の文庫本「侏儒の言葉」を志朗に渡す。宿題として読ませることを陣内から助言されていたのだ。次に返してもらう時に武藤は、在宅事件の結果を出すが真実は違っていた。

 

信じたり裏切られたりする日常と向き合う陣内と武藤。彼らは、今日も子ども達の奇跡を起こすために家裁裁判所に向かうのだった。

 

チルドレンは、サブマリンという作品に繋がるものです。この作品は、短編小説特有の短編ごとに語り手が違うのに最後には1つに繋がっています。陣内の「俺たちは奇跡を起こすんだ」という独自のルールによって奮闘する日常が楽しい作品です。

 

 

伊坂幸太郎は長編ばかりではなく、短編も書いています。そんな短編作品を3選紹介します。「終末フール」「アイネクライネナハトムジーク」「チルドレン」の作品です。3選とも短編というか短編集になっているので読みやすいです。

 

特に「アイネクライネナハトムジーク」は、いままでとは違う伊坂幸太郎の一面が見れるかもしれません。劇的な出会いを夢見る青年と街頭アンケートに協力した女性の次に繋がらないはずもない2人の出会いを追い掛けてみてはいかがでしょう。

伊坂幸太郎のおすすめ長編作品3選

新潮社

ラッシュライフ (新潮文庫)

泥棒を生業している男は、カモを探していた。父が自殺した青年は神を憧れ、女性カウンセラーは不倫相手との再婚を夢見ていた。職を失い家族に見捨てられた男は犬を拾い、幕間には歩くバラバラ死体。四つの交わらない話に交差する人々の人生、その果てに待つ未来。

 

不思議な人物、機知に富む会話、先の見えない展開。伊坂幸太郎が世間に注目された話題作。無関係だと思っていた人達の運命が絡み合っていく、伏線回収に引き込まれていく作品です。いろんな作品に出てくる泥棒で探偵の黒澤が、良い味を出しています。

伊坂幸太郎の作品は長編が多いので、どの作品もおすすめです。その中でも特に人気の「重力ピエロ」「ゴールデンスランバー」「ラッシュライフ」の3選を紹介します。特に「ラッシュライフ」は、4つの交わらない話に交差する人々の人生が交わっていきます。

 

伊坂幸太郎の特有の世界観が細部に行き渡っていてデビュー2作目で映画化もされています。伊坂幸太郎が世間に注目されるきっかけになった作品で、最後そんな背景を気にして読むと、また違って面白いかもしれません。

映像化された伊坂幸太郎作品ランキング9選

新潮社

重力ピエロ (新潮文庫)

兄の泉水と弟の春とは父親が違う。春は母親がレイプされて身籠ってしまった子どもだった。そんな2人が大人になった時代、仙台の街に起こる連続放火事件。この放火現場には必ず奇抜なグラフィティアートが描かれていた。

 

市内のグラフィティアートを消す生業の春に誘われて、遺伝子に関することに勤めている泉水は遺伝子に興味を持ち謎解きを始める。自身の葛藤で苦しむ春と見守る泉水がグラフィティアートと遺伝子ルールの奇妙なリンクを見つけ出した時の先は、どうなるのか。

 

「放火とグラフィックアートと遺伝子」がテーマとなる作品です。ここにも探偵で泥棒の黒澤が出てきます。血の繋がりが家族というのか?過去の事件との結びつきは何か?重力ピエロというタイトルの意味、ミステリーだけど最後は家族に救われる作品となっています。

伊坂幸太郎の作品は数多く映像化されています。映像化されていても、小説の空気感そのままで作品になっていると高評価をもらうものが多い伊坂幸太郎の作品。その映像化された作品を9位から紹介していきます。

 

9位Sweet Rain 死神の精度

8位グラスホッパー

7位チルドレン

6位オー!ファーザー!

5位ポテチ

4位重力ピエロ

3位フィッシュストーリー

2位ゴールデンスランバー

1位アヒルと鴨のコインロッカー

 

これは毎年更新されているランキングで、2位のゴールデンスランパーから9位のSweet Rain 死神の精度までは順番がコロコロ変わってしまいます。しかし、1位のアヒルと鴨のコインロッカーは変わらず、ずっと上位なので迷ったならば1位を観てみる価値はあります。

 

ここから伊坂幸太郎の小説を読んでみてはいかがでしょう。

【初心者必見】作品をより楽しむ読み方!

新潮社

3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫)

エッセイは得意ではないと語る伊坂幸太郎が、デビュー以来ポツポツと発表した106編になります。恋愛のこと、苦手なスピーチのこと、憧れのヒーローのことを語る中でも伊坂節が見え隠れする作品です。デビューから15年の軌跡を綴った初エッセイ集。

 

作品の中で2足のわらじで小説家をやっていた伊坂幸太郎が、会社を辞めることを奥さんに伝えると「いいんじゃない?」の返事をされたことが書かれています。その返事に「最高の贈り物だった」と語っています。

 

そんな日常の言葉が綴られているので、小説家としての伊坂幸太郎ではなく1人の伊坂幸太郎を文章から垣間見てください。

伊坂幸太郎は、小説だけではなくエッセイ集も出しています。エッセイ集は、より一層伊坂幸太郎の世界観を感じれるかもしれません。伊坂幸太郎ワールドは健在なので独特な言葉使いの世界に引き込まれること間違いなしです。

 

エッセイ集を読むことで人柄に触れてみて、数々の作品に楽しんでみてはいかがでしょう。

作品同士の繋がりがある

新潮社

首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)

「大人になっても、人生はつらい?」をテーマにして繰り広げる作品です。首折り男を中心に「とある夫婦」「だれかにそっくりな男」「合コン」あの黒澤の活躍する「月曜から逃げろ」など全7編が収録された短編連作集。

 

合コンでは、それぞれの思想が見え隠れていきます。合コンの終盤に見た目が冴えない青年のどんでん返しがあり面白いです。テーマはあるのですが、短編ばかりなので読みやすいで伊坂幸太郎ワールドを楽しんでください。

伊坂幸太郎の作品は、シリーズ化していません。しかし伊坂幸太郎の作品には、作品同士の繋がりがあります。これは伊坂幸太郎の作風で、小説ではあまり見かけない書き方のスターシステムを使うからです。

 

作品同士の繋がりを読んでみたい方は「オーデュボンの祈り」→「ラッシュライフ」→「重力ピエロ」から読んでみるといいでしょう。繋がる人物が脇役で出てきて、また次の作品へ繋がって面白いです。

まずは『オーデュボンの祈り』を

新潮社

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

コンビニ強盗に失敗した伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。そこは荻島という仙台の先にある小さな島であり伊藤は、助けてくれた男によって連れられてきました。この島は江戸時代から外界とは150年も鎖国のような状態が続いていました。

 

妙な人達ばかりが住んでいる島で、住民から聞いた「この島には、大切なものが最初から欠けている」という謎の言い伝えと共に不可解な出来事ばかり起こるのだった。

 

独特な世界観の作品は、伊坂幸太郎のデビュー作です。伊坂幸太郎といえばという作風が随所に見られて、重力ピエロには数年後の姿として主人公の伊藤が出ています。この作品は、漫画になったり舞台化になったりと小説以外の姿が見られる作品です。

伊坂幸太郎のデビュー作「オーデュボンの祈り」は、伊坂幸太郎の他にも繋がる作品になっています。「オーデュボンの祈り」を読むことで、次の作品に繋がっていく伊坂幸太郎ワールド全開を楽しんでみてください。

 

作品によって違う立ち位置で居る人物を探しながら読むと面白いので、まずは伊坂幸太郎の始まり「オーデュボンの祈り」を読むことをおすすめします。そして次は「オーデュボンの祈り」で出来た人物を探すのも楽しいです。

あとは刊行順に読んでみる

NHK出版

クジラアタマの王様

老舗菓子メーカーに勤める岸は、妊婦の妻と平穏に暮らしているつもりだった。ある日自社のお菓子に異物混入しているというクレームと共にニュースに流れます。そのことに対して謝罪会見したことから会社全体で騒動に巻き込まれます。

 

クレーム処理に長けている岸は事態を鎮圧することに成功したのだけど、本人の意図しないところで本当の物語が始まる。すべてを繋げるのは、不思議な夢とハシビロコウだった。

 

異物混入は単なる話のきっかけで、実際は夢の話が繰り広げられる。それも夢の中でチームを組む3人が、夢で勝利すると現実で直面していることが好転する。だからといって凄く夢と現実が混ざるわけでもなく物語が進みます。

 

ハシビロコウで始まり、鳥インフルエンザで終わる。説明しようとすればするほど伝わらなくなりそうなので、この作品は実際に読んで欲しいです。

 

短編や長編、またはミステリーを気にしないのならば、刊行順に読んでみるといいでしょう。デビュー作の「オーデュボンの祈り」から順に読んでいくことで、伊坂幸太郎の世界観が一番分かります。

 

いま発売されている「クジラアタマの王様」までエッセイ集含めたら40冊ほどあります。少しずつ読んでいくのも楽しいのではないでしょうか?小学生の頃、朗読の時間があったと思います。そんな感じで時間を決めて読んでみてはどうでしょう。

 

伊坂幸太郎の最新情報はこちらで

「逆ソクラテス」とは、小学校に転校してきた1年だけの友達と気にくわない先生の言動のやり込めるために、ある計画を実行する。その結果、冴えなかった同級生が変わっていくという話です。

 

この話は、中学受験に出されました。「僕はそう思わない」っていう相手の先入観や間違いを受け止めて、その上で伝えていく大切さを教えた作品になっています。逆ソクラテスは伊坂幸太郎のデビュー20年の記念作品になっています。

 

本人が「デビューして20年この仕事をしてきた1つの成果だと思っています」と話しています。人を見下したり、自分が正しいと疑わなかったり、自分の価値観を押し付けたりをソクラテスの逆として言われていることが分かると違った視点で読めるのではないでしょうか。

伊坂幸太郎の最新情報は、伊坂幸太郎オフィシャルサイトをご覧ください。ここでは作品のあらすじが読めるだけでなく、そのまま作品が買えたりします。今話題の「逆ソクラテス」が2020年4月に発売予定です。

 

最新作の「逆ソクラテス」だけでなく、他の作品もオフィシャルサイトでチェックしてみてください。忙しくて買いに行けない人には、ここで今まで話した技法のどれかを使い作品を選んでみてはどうでしょう。

伊坂幸太郎のまとめ

ドイツ南部の町・ローテンブルクが舞台。探偵のカールは、浮気調査を依頼されて中年男性を尾行しています。クリスマスイブを迎えた街は大賑わいでしたが、15歳で家を出てから孤独のカールには関係ありません。

ひと仕事が終わったので休む場所を探していたカールが出会ったのは、そこで不思議な青年でした。カールはサンドラと名乗る青年と、公園で忘れがたい時間を過ごすのです。

 

この作品は伊坂幸太郎が、大学生の時に生まれて初めて完成させた短篇を自身の手でリメイクした作品です。聖夜の奇跡の物語に世界的な漫画家でイラストレーターのマヌエーレ・フィオールの挿し絵がピッタリです。

 

普段のミステリーとは違った伊坂幸太郎の作品ですが、今の作風の原点が詰まった物語です。伊坂幸太郎の作品には、お馴染みのキャラクターの元祖も出てきます。出来れば子どもと一緒に読んで欲しい心が温まる作品です。

 

 

 

 

 

伊坂幸太郎とは、日本のミステリー作家になります。手塚治虫と同じ手法「スターシステム」を上手に使い、創り上げる伊坂幸太郎ワールドは圧巻です。「オーデュボンの祈り」から「逆ソクラテス」まで、授受つなぎのように繋がった人物が出てくるのは面白いです。

 

また歌手の斉藤和義から、出逢いをテーマの歌詞を書いてほしいと誘われて出来た恋愛小説「アイネクライネナハトムジーク」も伊坂幸太郎の違った一面が見れます。「AXアックス」も殺し屋で怖い話のように感じます。

講談社

魔王 (講談社文庫)

安藤は犬養が強烈な言葉で日本を手の中に治めていくことを不安に覚えていた。そんな時に自分の思いを他人を使って言葉にする腹話術をいう力が備わっていることを自覚します。その力で犬養の信頼を失わせようと演説で不適切な発言しようと試みます。

 

しかし敵の妨害で、安藤は死んでしまいます。それから月日が経ち、安藤の弟である潤也にも十分の一の確率までなら当たりを引く能力があると気付きます。兄の死と引き換えに能力が現れたようでした。そんな頃に久しぶりに兄の友人だった島に再会しました。

 

そこで不振に思うことが、いくつか出てきた潤也は兄と同じように世界を変えようと考えます。その力で競馬を当て莫大な富を築き、お金を使って兄ができなかったこと、人の救いになることをしようと決意します。

 

伊坂幸太郎っぽくない作品です。伏線回収しますが、ラストにどんでん返しがあるわけでもなく消化不良で終わってしまいます。潤也の決意表明で終わっているので、次回作があることを望んでしまう作品です。

 

しかし結局は人間愛だったりして、ミステリーだけではない伊坂幸太郎の世界観に触れてみてください。伊坂幸太郎の作品は怖いだけでは語れないので、ミステリーが苦手でも読めるのではないでしょうか。

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