【徹底した取材力】人気!山崎豊子のおすすめ作品ランキング10選

数多くの長編小説を書き上げた山崎豊子さん。多くの人に愛読され、ほとんどの作品が映像化されています。彼女の作品は綿密な取材力で企業と経済を描いたものが多いです。そんな山崎豊子作品の選び方のポイントやおすすめ作品10選をご紹介します。

綿密な取材で作品を書く!山崎豊子の魅力とは

山崎豊子さんは1924(大正13)年、大阪市生れ。京都女子大国文科卒業後、毎日新聞社学芸部に勤務しました。勤務のかたわら小説を書きはじめ、1957年『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』で直木賞を受賞。そして新聞社を退社して作家生活に入ります。

 

初期の作品は出身地である大阪を舞台にしたものが多かったのですが、のちに戦争や社会問題などに切り込む作品が増えていきました。 新聞社勤務の経験が、多くの社会派小説の誕生に大きな影響を与えているのでしょう。強く胸を打つ山崎豊子作品は多くがベストセラーに輝いています。

 

山崎豊子さんは、執筆する際に徹底した取材をすることで有名です。彼女が取材を重ねる姿は「不屈の取材」と評されるほど。だからこそ、彼女の作品はどれも読み手の心を掴むのでしょう。2013年8月より新作『約束の海』の連載を開始してましたが、第1部を書き上げた後に体調不良となり逝去。89歳でした。

 

 

山崎豊子の小説の選び方

山崎豊子作品はどれも素晴らしいものばかりです。ですから、どの作品を読もうか悩む方も多いのではないでしょうか?そこで、ここでは山崎豊子作品を選ぶ上で参考となるポイントをいくつかご紹介します。

受賞作品から選ぶ

山崎豊子さんは「直木賞」「大阪府芸術賞」「婦人公論読者賞」「文芸春秋読者賞」「菊池寛賞」「毎日出版文化賞」を受賞しています。数ある作品の中から審査員が選び受賞した作品ですので、読者により好みが別れる部分もあるかと思いますが、評価された作品だということは間違いありません。受賞した作品の中から選んでみるのもおすすめです。

直木賞

直木賞は、正式名称を「直木三十五賞」と言いますが、通称の直木賞で親しまれている文学賞です。芥川賞と並び、世間でもよく注目される賞の一つです。発表の際は、メディアでの取り上げられることも多い賞です。

 

山崎豊子さんは、『花のれん』で第39回(1958年)直木賞を受賞しています。吉本興業の創業者をモデルに描いた小説です。のちの社会派寄りの作品とは大きく異なる情緒豊かで、とても瑞々しい下町の女繁盛一代記です。

文芸春秋読者賞

文藝春秋読者賞は、「文藝春秋」の読者が、同誌の最も優れた記事を表彰する賞です。読者により投票され、投票数一位から十位までの記事から選考委員が審議して決定します。

 

山崎豊子さんは、『大地の子』で第52回(1990年)文藝春秋読者賞を受賞しています。中国残留孤児「陸一心」の波乱万丈の半生を描いた大河小説です。

 

本作は1987年5月号から1991年4月号まで『月刊 文藝春秋』に連載されました。その後1991年に文藝春秋で単行本全3巻が刊行、1994年に文春文庫全4巻で再刊されています。そして、1995年にNHKの放送70周年記念番組として上川隆也主演で、日中の共同制作によりドラマ化されています。

毎日出版文化賞

毎日出版文化賞は、毎日新聞社が主催する、優秀な出版物を対象とした文学・文化賞です。1947年に創設されました。

 

運命の人』は第63回(2009年)毎日出版文化賞を受賞しています。沖縄返還の背後にある密約の存在をめぐり、西山記者事件をもとに描かれた小説です。取材と執筆に約8年を要した長編作品です。2012年に本木雅弘主演によりドラマ化されています。

山崎豊子の受賞歴一覧

  • 1958年 -『花のれん』にて第39回直木三十五賞
  • 1959年 -『ぼんち』にて大阪府芸術賞
  • 1963年 -「花紋」にて第2回婦人公論読者賞
  • 1968年 -「花宴」にて第6回婦人公論読者賞(後に、盗作問題で賞を返上)
  • 1990年 -『大地の子』にて第52回文藝春秋読者賞
  • 1991年 - 第39回菊池寛賞
  • 2009年 -『運命の人』にて第63回毎日出版文化賞特別賞

ドラマが大ヒットした作品から選ぶ

山崎豊子作品はほとんどが映像化されています。テレビドラマで大ヒットしたものも多く、小説は読んだことがなくても、一度は山崎豊子作品に触れたことのある方は多いのではないでしょうか?

 

テレビドラマで見たことがあっても、小説を読み直してみると、また違った感じ方ができるかもしれません。テレビドラマと小説では設定の違いがあったりする作品もありますので、そういった点を比較しながら小説を読むのも面白いです。

華麗なる一族

華麗なる一族』は、主演の木村拓哉、北大路欣也をはじめ、豪華な俳優陣で2007年にTBSの55周年記念番組として制作され、全10回で放送されました。

 

本作はキャストの豪華さに加え、ストーリーの面白さも相まって視聴率20%超をキープし、関西では30%を超えた回もあったのだとか。紅白歌合戦の視聴率を超えたことでも話題になりました。

 

原作は山崎豊子の長編小説で、1970年から1972年まで「週刊新潮」に連載され、その後、出版されました。1974年にも映画化、テレビドラマ化されています。『華麗なる一族』は実在の企業をモデルにしているといわれ、万俵家のモデルは神戸の岡崎財閥だとされています。

白い巨塔

白い巨塔は1966年の映画化以来、幾度となく映像化されてきた不朽の名作です。大学病院という組織の中で繰り広げられるし烈な権力争いと腐敗、「命の尊厳とは何か?」を問いかけ、その普遍的なテーマは多くの人をひきつけます。

 

特に2003年フジテレビ系列で放送された『白い巨塔』は唐沢寿明が主演を演じ軒並み20%を超える高視聴率を記録しています。最終回の視聴率は多くの地域で30%を超えるなど反響を呼んだドラマでした。また、最終回の視聴率32.1%は、田宮二郎主演の1978年版の最終回31.4%を上回り、記録でも連続ドラマの歴史に名を残すことになりました。

 

そして、2019年に岡田准一主演で15年ぶりにドラマ化されることが決定しています。テレビ朝日開局60周年記念ドラマですので、キャストも豪華な顔ぶれになること間違いなしです。

出版した年代で選ぶ

山崎豊子は1957年に『暖簾』でデビュー。その後も2013年に永眠するまで、長きにわたりベストセラー作家として活躍していました。作品の年代を追うことで、山崎豊子の魅力に触れやすくなるでしょう。ここでは、年代順におすすめの作品とその特徴をご紹介していきます。

1950年代|デビュー作『暖簾』など

1957年にデビュー作『暖簾』を出版したのち、1958年に『花のれん』1959年に『ぼんち』と立て続けに発表。『花のれん』と『ぼんち』は、直木賞と大阪府芸術賞を受賞しています。それぞれ映画・ドラマと映像化されていることも特徴です。

 

また、1959年に発表した短編集『しぶちん』の人気も高く、NHKでドラマ化もしています。2005年には新装版が発売されるなど、世代を超えて愛されている作品です。

1960年代|山崎豊子の代表作『白い巨塔』など

1961年『女の勲章』1963年『女系家族』1964年『花紋』1965年『白い巨塔』1967年『仮装集団』『花宴』と、1960年代には6つの作品を発表。うち4作品が映画化またはドラマ化されています。

 

1967年に発表した『花宴』は、雑誌で連載していたものの盗作疑惑により絶版に。一時、世間を騒がせた作品です。

1970年~1980年代|『華麗なる一族』『不毛地帯』など

1973年『華麗なる一族』1976年『不毛地帯』1983年『二つの祖国』と、3作品が発表されています。どれもドラマ化されており、『華麗なる一族』と『不毛地帯』は映画化されていることも特徴。

 

『二つの祖国』はNHKの大河ドラマ「山河燃ゆ」の原作にもなっています。史実に基づいて作られた作品のため、ノンフィクションに近い作品です。

1990年代以降|『大地の子』『沈まぬ太陽』など

1990年から永眠する2013年までは、山崎豊子の集大成ともいえる大作が豊富。1991年『大地の子』1993年『ムッシュ・クラタ』1999年『沈まぬ太陽』2009年『運命の人』、遺作『約束の海』の5作品を発表しています。

 

中でも、遺作である『約束の海』はファンなら手にしておきたい一冊。2013年から週刊新潮で連載を開始し、全3巻になる予定でした。残念ながら1巻の第6回の掲載後に山崎豊子は帰らぬ人となります

 

しかし、1巻分にあたる約20回の執筆を終えていたため、2014年に新潮社が第1巻を発売。ファンならぜひ手にしておくべき一冊でしょう。

映像化されている作品を選ぶ

山崎豊子の作品はほとんどが映像化されていることが特徴です。ここでは、映画化された作品とドラマ化された作品を分けてご紹介します。

『白い巨塔』『沈まぬ太陽』など映画化した作品

山崎豊子の作品では9作品が映画化されています。その全てがドラマ化されていることもポイントです。映画をみて面白いと思った作品を読んでみるのもおすすめ。

 

『暖簾』『花のれん』『ぼんち』『女の紋章』『女系家族』『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』『沈まぬ太陽』、以上9作品が映画化・ドラマ化された作品です。

『大地の子』『二つの祖国』など、ドラマ化した作品も

『大地の子』や『二つの祖国』など、計14作品がドラマ化されています。その中の9作品は映画化もされています。映画化された作品については、上の見出しを参考にしてください。

 

『しぶちん』『花紋』『二つの祖国』『大地の子』『運命の人』、以上5つがドラマ化のみされた作品です。

山崎豊子のおすすめ小説10選

相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説

舞台は大阪・船場の代々続く米問屋。家付き娘が婿をとる女系の家で起こる遺産相続争いを描いた作品です。人間の欲深さ、醜さが描かれ、それぞれの関係もドロドロしていて、読みごたえのあるおもしろい作品です。それまで見ていた人物の表の顔とは別の顔などが暴かれていく過程は見事です。

 

美しい娘や大阪の富裕な家庭という、一見すると華やかで美しい物語の設定ですが、繰り広げられるのは遺産相続を巡る争いなので、華やかではあるが美しくはない、生々しさがよく描かれています。

 

何度も映像化されている作品ですが、本作はドラマよりも細密に書かれているので深さが増します。山崎豊子さんの作品の中でも最も人間の嫌な部分、欲深さが書かれている小説ではないでしょうか。上巻と下巻で構成されています。

 

発売日 2002/4/23 ページ数 408ページ

『暖簾』『花のれん』に継ぐ、大阪ものの第三作!

大阪 船場の老舗足袋問屋の跡取り息子喜久治と彼を巡る5人の女性たちを描いた長編小説です。大阪の船場商人の様々な家族制度、風俗、風習等が細かい筆運びで描かれていて、船場の商人の雰囲気が手にとるように伝わってきます。

 

主人公ぼんちと女性達とのかかわりが見事に描かれており、ぼんちの遊びっぷりと,5人の妾たちへのきっちりとした面倒の見方が印象的です。山崎豊子さんの作品は人物描写が丁寧で物語に深みがあります。

 

暖簾』『花のれん』に継ぐ、大阪ものの第三作。大阪の船場の数百年の歴史がある家族のしきたりや商家同士の関係や芸者との関係は山崎豊子さんでないと読めない醍醐味ではないでしょうか。

 

発売日 1961/2/2 ページ数 656ページ

日本の政財界とアメリカの航空機メーカーとの癒着を描いた大作

シベリア抑留と、第二の人生を商社マンとして歩む主人公の物語です。帰国後の商社入社に始まり、政財界の癒着、アメリカの航空機メーカーをめぐるライバル会社との汚職事件等がシリアスに描かれています。波乱万丈な彼の人生が作り上げた何者にも揺り動かされることのない人生観や、価値観の中に真の男の美学を見る思いがします。

 

主人公が回想するシベリア抑留の悲惨さが見事に描写されており、その壮絶さから、戦争に発した悲劇をあらためて感じる内容です。山崎豊子の筆力と共に、戦争の悲惨さを伝えるため歴史に残すべき、読み継がれるべき一冊ではないでしょうか。 

 

また、企業小説としても発展途上国から先進国へと移り変わっていく模様が詳細に描かれていてとても面白いです。描写が細かく、山崎豊子ならではの調査の綿密さがわかります。 戦後の日本をもっと知りたくなる本です。全5巻ですが、一気に読める作品です。

 

 

出版日 2009/3/17 ページ数 656ページ

真の祖国を探し求めた日系米人の悲劇を描く大河巨編!

太平洋戦争時代のアメリカと日本、二つの祖国を持つ日系二世が主人公の物語。主人公をはじめ、その家族、周りの人々皆がそれぞれ、この困難の中、苦渋に満ちた決断をし、必死で生きていく姿が描かれており、ずっしりと読み応えがあります。

 

大地の子』に近く、今回はアメリカの日系二世が日米の戦争に際し苦悩する内容です。日本人・日系人たちが差別され迫害を受けた事実を知る一冊。こういう事実があったことを、私たちは知っておくべきだと感じます。現在の我々では想像できないほど厳しい環境であり、いたたまれない気持ちになります。

 

「祖国とは何か?」重いテーマを下に、日系人の過酷な人生を通じて、歴史を学ぶ大切さを学ぶことができます。NHKの大河ドラマになった名作。全4巻です。

発売日 2009/9/14 ページ数 480ページ

毎日出版文化賞特別賞受賞の大作!

1971年、沖縄返還を取り巻く政官界の大きな動きと、それを熱い想いで取材する新聞記者の物語です。西山事件を描いたドキュメントタッチの作品です。物語は新聞記者が過去の戦争にまつわるアメリカとの特ダネ記事を掴んだことから始まり、スキャンダルで逮捕され裁判にかけられます。

 

霞ヶ関や新聞社内のやり取りの様子や、法廷の緊迫した攻防戦、沖縄の歴史や戦争の被害、どの場面も取材に裏打ちされた骨太な文章でさすがの一言。政治家と敏腕新聞記者、外務省の官僚たちの汗くさい攻防に魅了されます。

 

全4巻で構成されていますが、特に四巻は、戦時中の沖縄の様子が描かれていて読むのが苦しくなるくらいです。構想に長年費やした、毎日出版文化賞特別賞受賞の傑作。戦後史を問いつづける山崎豊子渾身の巨篇です。

発売日 2009/4/24 ページ数 256ページ

直木賞受賞作品!

朝ドラ「わろてんか」のヒロインのモデルとなった、吉本興業を興した吉本せいさんの物語。大正末期~太平洋戦争後の大阪を舞台に旦那亡き後、女手ひとつで寄席稼業をはじめとする商いの道に邁進していく女性のストーリーです。主人公の多加が、商売の才覚発揮して活躍する姿に、時間の過ぎるのも忘れて読みふけってしまいそう。

 

いまから約60年以上前に書かれた小説ですが、文章は現代的で。少しも古さを感じさせません。臨場感あふれる戦前の上方の寄席小屋や大阪商人の世界にぐいぐい引きこまれます。

 

山崎豊子さんと言えば長編小説を得意とする作家ですが、本書は珍しく1冊で完結しています。ですが、内容は非常に濃く読み応えがあり、おすすめの1冊です。山崎豊子さん初期の小説で、第39回直木賞受賞作品です。

出版日 1961/8/17 ページ数 336ページ

人間の真実を問う壮大なドラマ

物語は主人公が左遷によりアフリカに飛ばされた状態から話が始まります。小説に出てくる会社は日本航空がモデルとされており、主人公も実在のモデルがいるとのこと。中盤では日本航空123便墜落事故が起こります。

 

実際の取材から得られたリアルな話は、目を背けたくなる様な悲惨な状況も描かれています。それでも読み進めてしまうのは、著者の熱い思いが作品に込められているからではないでしょうか。どんなに理不尽な扱いを受けても自分の信念を曲げずに生きていく主人公がとても男らしく、魅力的です。

 

実際にあった御巣鷹山の飛行機事故の背景に隠された会社の体質が浮き彫りにされて、壮大なテーマを軸がぶれこともなく、読み応えのある長編に仕上がっており、さすが山崎豊子と思わせる名作です。

出版日 2001/11/28 ページ数 416ページ

中国残留孤児の物語。文化大革命下の中国を舞台に描く大河小説 

日本人残留孤児で、中国人の教師に養われて成長した青年のたどる苦難の旅路を描く大河小説です。満蒙開拓団として家族と共に入植してきた主人公が日本人であるためにいじめや差別を受けながらも、力強く生きていく姿には本当に勇気をもらえます。

 

山崎豊子さんはこの作品を書くに当たって膨大な量の取材をしたといいます。実際に300人以上の戦争孤児を取材して書かれた本作は読めば読むほど物語に引き込まれ、感情移入してしまいます。実際に、中国で戦争孤児となってしまった人たちからも話を聞いただけあり、フィクションでありながら実話のような内容です。

 

戦後から文化大革命の中で懸命に生き抜いた日本人がいたことを、多くの人にぜひ知って欲しくなる小説です。この作品は忘れてはいけない戦争の傷跡を突きつけます。戦争が終わって残ったものは何だったのだろうかと、そんなことを考えさせてくれる重厚感ある作品です。

出版日 1994/1/10 ページ数 387ページ

不気味で巨大な権力機構を徹底的に取材した大作!

高度成長期の日本を舞台に、銀行と鉄鋼会社を牛耳る万俵一族の人間ドラマが描かれています。まさしく華麗なる一族。実在した財閥や政界をモデルに、権力にとりつかれた男達の執念や、政界と財界の癒着などの社会構造、男女のゆがんだ愛憎劇、そして人生の虚しさなどがリアルに描れています。

 

文庫本で上中下それぞれ500ページを超える大作。これだけのページ数でありながら、最初から最後まで話の面白さに惹き込まれ、長さを感じさせない作品です。やはり、山崎豊子さんのきめ細かい取材力や筆力に感服させられます。

 

映画にもドラマにもなりましたが、やはり小説で読むとまた違った感じ方ができるのではないでしょうか。ボリュームがあり、普段小説などを読まない人にとっては、なかなか手を出しにくいかも知れませんが、ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思える内容です。

 

出版日 1980/5/25 ページ数 672ページ

発行部数累計600万部の大ベストセラー! 不朽の名作

本作は、故田宮二郎の遺作となった傑作テレビドラマの原作としてよく知られていますが、その他にも何度も映像化されており医療小説としては最も知られた作品の一つです。当時の医学界にもメスを入れた本作品。

 

長い作品ですが、魅力的なキャラクターを通して進んでいく展開は目が離せません。山崎豊子さんの人間観察の目が光った、医療現場の闇を描いた名作です。

 

大学病院の教授になるために野心に溢れ、様々な裏工作を図る財前と、患者を一番に考え、立場が危うくなろうとも自分の意見を貫き通す里見。二人の対照的な生き方、考え方が魅力です。どちらにも人間的魅力がありどんどん惹き込まれていきます。

 

山崎豊子という作家の力量の凄さを思い知らされたような気がします。山崎豊子さんはこの小説を執筆するにあたり膨大な時間を費やしたそうです。国立大学の教授選挙に絡む大学内部の派閥抗争を描いていますが、単にそれだけには留まらず、どこの組織にもある政治的な、あるいは人間の確執などを描いた作品です。

 

 

発売日 2002/11/20 ページ数 432ページ

山崎豊子のおすすめ商品比較一覧表

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1
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白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)

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発行部数累計600万部の大ベストセラー! 不朽の名作

2002/11/20 432ページ
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華麗なる一族(上) (新潮文庫)

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不気味で巨大な権力機構を徹底的に取材した大作!

672ページ 1980/5/25
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大地の子 一 (文春文庫)

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中国残留孤児の物語。文化大革命下の中国を舞台に描く大河小説 

387ページ 1994/1/10
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沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

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人間の真実を問う壮大なドラマ

416ページ 2001/11/28
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花のれん (新潮文庫)

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直木賞受賞作品!

336ページ 1961/8/17
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日本の政財界とアメリカの航空機メーカーとの癒着を描いた大作

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相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説

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山崎豊子のおすすめ作品を楽しむ

山崎豊子作品おすすめランキング10選をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。社会性のあるテーマに切り込んだ、スケールの大きな長編小説で人気の山崎豊子さん。どの作品も長編でも夢中になり、読み応え十分の作品ばかりです。まだ山崎豊子作品に触れたことがない方にも、ぜひ手に取っていただきたいおすすめの作家さんです。

本サービス内で紹介しているランキング記事はAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどECサイトの売れ筋ランキング(2020年11月20日)やレビューをもとに作成しております。

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