ドラムの演奏感やサウンドにまで影響を与えるドラムスティックは、ドラマーにとって最もこだわるべき重要なポイントの1つです。それぞれ質感や太さ、長さ、重量などが製品によって異なり、現在では実に製品ラインナップが豊富です。

今回はそんな魅力溢れるドラムスティックを、定番の製品からあまり知られていない知る人ぞ知るものまで、製品の特徴などともにおすすめの物を幅広く紹介していきます。自分にぴったりのドラムスティックの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

ドラムスティックと一口に言っても様々な種類があり、どれを選んだらいいか困ってしまいますよね。ここでは幾つかのポイントに絞ってドラムスティックの選び方をご紹介します。

ドラムスティックは木材で作られているものが多いですが、その材質は実に様々。材質の違いでサウンドや演奏感も変わるため、自分に最適なものを選びましょう。

ドラムスティックの材質の中でも「ヒッコリー」はクルミ科の樹木を使用した最もポピュラーで代表的なものの一つです。サウンドにクセがなく、木材特有のあたたかみのある音が特徴で、様々な音楽ジャンルに対応でき、初心者にもおすすめです。

製品ラインナップも非常に豊富で、多くの製品から選ぶことができるのも魅力。適度な重さと硬さがあり、強度もそれなりにあるので比較的折れにくいのもポイントです。

さらに、硬いながらも適度な弾力性があり、しなるので、扱い安いです。総合的にバランスの取れた材質で、これからドラムを始める初心者の方にもおすすめです。

落葉樹であるナラを使用した「オーク」は、加工しやすい種が多く、ドラムスティックをはじめ、家具やフローリングなどの幅広い素材として使用されることもあります。ヒッコリーよりもさらに重く、硬めなのが特徴です。

質量が大きいため非常に折れにくく、耐久性の高さが魅力で、ロックなどの激しい音楽ジャンルに最適です。サウンド傾向もパワフルで大きな音が出しやすいです。また、価格が比較的安いものが多いのも嬉しいポイントです。

しかしその反面、繊細なサウンドや表現は苦手であるため、演奏するジャンルによっては適さないため注意が必要です。

モミジとも呼ばれる楓の木を使用した「メイプル」は、ドラムスティックの他、ギターをはじめとした楽器や、建築材、家具、ボウリングのレーンやピン、野球のバットに至るまで、幅広い用途で使用されている素材です。

非常に軽くて弾力性があるのが特徴で、細やかなプレイを得意とし、繊細な音や早い音を出す演奏に適しています。そのため、ジャズやクラシックをはじめとした、優しく繊細な音楽ジャンルに最適です。

繊細な表現が得意ですが、その反面軽量で質量が小さいため、折れやすく耐久性には難があります。そのため激しいジャンルなどではすぐに折れてしまうこともあるため注意が必要です。

ドラムスティック先端の丸くなっている部分のことを「チップ」と呼びます。ドラムに直接触れる部分であるためサウンドにも影響を与える重要な部分であるため、確認してから選びましょう。

チップの形状で最も扱い安く、初心者にもおすすめなのが「丸型（ボール）」のチップをしたドラムスティックです。最大の特徴は、丸い形状であるため、打面に均一にあたることによって、どの角度から叩いても音が安定します。

そのため、ストロークを安定させることが難しい初心者の方にもおすすめです。また、打面と触れ合う接地面積が小さいため、音の粒立ちも良く、扱い安いタイプと言えます。

ロックなどのジャンルで頻繁に好んで使用されちるチップ形状で、音の変化があまり求められない演奏に最適です。しかしその反面、音を変化させることは難しいのがデメリットです。

チップ形状の中でも「四角型」は、他にもスクエア型、樽型などとも呼ばれており、丸型のチップを少し潰したような形状が特徴です。打面との接地面積が大きめのため、大きな音を出すことを得意としています。

そのため、ロックなどの激しい音楽ジャンルに最適なタイプと言えます。丸型と形状にそこまで大きな違いはなく、音のバラつきも比較的小さめです。

さらに、チップの丸みを帯びた面と、平たい面を使い分けることで、音に変化をつけることができるのも魅力です。とにかく大きな音を出したいといった方におすすめです。

丸型よもさらに細長くしたような形状が特徴の「涙型」は、ティアドロップタイプとも呼ばれ、主にジャズやクラシックなどの繊細な表現が求められる音楽ジャンルに適したチップの形状です。

チップの先に向かって細く平たくなっており、チップの先端と根元では、打面との接地面積が大きく変わるので、チップの角度を変えることで、サウンドの変化をより繊細につけることが可能です。

しかしその反面、それなりの練習が必要で、意図しない音のバラつきが出やすく、扱いが難しいため、これからドラムを始めるといった初心者の方にはあまり適していません。

涙型のチップ形状よりも、さらに繊細な表現を可能にする「三角型」は、円錐型とも呼ばれ、手数の多いジャズ演奏などに最適なタイプです。最も音色の変化を出しやすい形状で、特にシンバルなどの細かい音色を変化させるのに向いています。

チップの先端と根元で、打面との接地面積の差がかなり大きく、涙型の特徴がより強くなったような形状です。そのため、涙型よりもさらにコントロールが難しく、扱いにくいため、初心者の方にはあまりおすすめできない形状と言えます。

しかし、練習を重ねて使いこなせるようになれば、多彩な音の使い分けが可能になります。

チップの材質も様々で、サウンドに大きな影響を与えます。まず、最もオーソドックスなものが、スティックと同じ、木材を使用した「ウッドチップ」。チップの大半は木材を使用したものがほとんどで、初心者の方にもおすすめです。

次に「ナイロンチップ」は、チップの部分だけがナイロンで作られているものが多く、耐久性が高く、力強いはっきりした音が特徴です。しかし、ごく稀に演奏中にチップごと抜けてしまうことがあるため注意が必要です。

また、チップそのものが無い「チップレス」も存在します。スティックが一本の棒ようになっているタイプで、普通のドラムで使用する場合はコントロールが非常に難しいですが、ティンバレスを演奏する際に頻繁に使用されるタイプです。

ドラムスティックの持ち手部分であるグリップは、実際に楽器屋さんなどに出向いて握ってみるのが一番です。自分の手の大きさなどに合せた最適なものを選びましょう。しかし、プレイスタイルや音楽ジャンルによってある程度の目安をつけることができます。

一般的に、太くて長いスティックなものほど、重量があり、大きくパワフルな音が出しやすいです。反対に、細くて短いスティックなものは、軽量で、音量を抑えた繊細な音を出しやすい傾向があります。

また、製品によってはグリップ部分にのみ、滑り止め防止用のテープが巻かれたものなどもあります。演奏感が向上し、見た目もステージ映えしやすいため、一風変わったものが欲しい方におすすめです。

ドラムスティックを選ぶ際、メーカーで選ぶのも一つの手です。ここでは代表的なものを幾つか紹介します。

日本の楽器メーカーで絶大な知名度と人気を誇る「パール」。数多くのプロミュージシャンが愛用し、ドラムセットなどが特に有名ですが、ドラムスティックにも定評がある信頼性の高いメーカーです。

ドラムスティック選びに迷った際に、候補に入れるべきおすすめのメーカーの1つです。

こちらも日本を代表するドラムメーカーである、星野楽器が製造・販売を行っている「TAMA」。世代やジャンルを問わず、世界中に数多くのファンを持ちます。

30年以上にわたり、スティック専門工場と強い協力体制の下、品質と製法に徹底的にこだわっているメーカーです。

「VIC FIRTH（ビック　ファース）」は、ドラムスティック専門メーカーであり、高度な技術と洗練された品質が高い評価を獲得しています。

木材の微妙な個体差を読み取り、最適なペアマッチングを行うコンピューター・ペアリング・システムを導入し、妥協を許さない品質管理と革新的なデザインを追求しています。

電子ドラムを購入する際にセットでドラムスティックが付いているものも多いですが、自分で選んだものではないので普段と違う形状で会わないという方も多いですよね。

もちろん普段生ドラムで慣れている方が同じスティックを使って練習するのもいいですし、生ドラムと違って耐久性や音の安定性にそこまで気を使わなくていいというメリットがあるため、普段と違うスティックで幅を広げてみるのも良さそうです。

普段は安定感がある丸型や音の出やすい四角型を使っている方も、電子ドラムは一定の音が出るため涙型を使ってみるのも良いと思います。ただ、スティックの長さを変えたりすると普段と感覚が変わってしまい生ドラムを叩く時に支障が出てしまう場合があるので注意です！

ドラムスティックは販売店によっては、まとめ買いしたほうが料金的にお得な場合があります。ドラムスティックは頻繁に折れる消耗品であるため、送料や買いに行く手間を考慮すると、お財布に優しいのは嬉しいポイントです。

気になるドラムスティックを見つけたら、まずは1セット購入して演奏し、気に入ったらまとめて購入するのもおすすめです。

ドラムステッィクは練習中・ライブ中に折れてしまうことが頻繁にあります。そのため、1ペアだけ持っていれば良いということはなく、複数セット所持しておくのが一般的です。

そんなときに便利なのが、ドラムスティックを収納するケースです。複数本まとめて収納できるため、持ち運びにも便利で、ドラムセットにひっかけておき、折れた際に即座に取り出せる便利なフックを搭載したものなどがあります。

ここまでドラムスティックのおすすめランキング10選を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。ここで紹介した製品はほんの一部で、他にもたくさんの種類のドラムスティックがあります。ドラムがもっと好きになるように自分にぴったりのドラムスティックに出会えるといいですね。