【名言もたくさん】江國香織おすすめ小説人気ランキング15選

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「東京タワー」や「冷静と情熱のあいだ」など映画化された作品も多い人気作家、江國香織。繊細かつ細やかな表現と女性らしい感性が特徴の彼女の作品は、たくさんの読者に支持されています。今回は、そんな江國香織の魅力の詰まった作品15選をご紹介します。

江國香織作品の魅力

江國香織は、1964年3月21日に東京都で生まれました。父親はエッセイスト、俳人、演芸評論家の江國滋です。幼い頃から文学を愛し、物語に没頭する内向的な性格だったそうです。これまで数々の受賞歴と映画化ドラマ化歴を持つ、人気作家です。

 

年齢は50歳を過ぎていますが、小柄でどこかあどけなさを残している雰囲気を持ち、本能に真っ直ぐな子供のような純粋な感性は作品にも反映されています。話している姿はまるで利発な少女を思わせます。ひらがなを多く使い、やわらかく愛らしく、流れるようにたんたんと描かれる文章が江國香織の作品の魅力です。

 

ありふれた日常で、登場人物も特殊な能力を持っているわけでも規格外の設定でもない人々なのに、そこには日常を離れた瞬間が時折顔を覗かせます。美しい言葉選びと繊細な感性が光る、胸をぎゅっとつかまされる江國香織作品の数々をご紹介していきます。

江國香織作品の選び方

江國香織は作品数が多い作家です。人気作品が多いだけでなく、幅広く色々な文章を書いているので、ここではおすすめの江國香織作品の選び方をご紹介していきます。

ジャンルで選ぶ

まずは、作品のジャンルからお気に入りの作品を選びましょう。小説はもちろん、エッセイも魅力的な作品が多いです。また、児童文学を書いたりその翻訳を手がけたりもしています。

恋愛小説

江國香織は29歳の時に銀行員の男性と結婚しました。一時期は子供が欲しいと思い、四六時中そのことを考えていたそうですが、最終的に子供をつくらないという選択をしました。その理由は、客観的な視点を失わないようにするためでした。

 

子供ができてしまうと、小説を書くことだけを考えているわけにはいきません。色々な心配事も抱えるし、現実的にやらなければならないことも増えます。小説を書くということに自身の多くを捧げたのです。

 

今でもみずみずしい感性と第三者的観察眼で、素晴らしい小説を生み出しています。ほんわかしているかと思いきや、突然冷たい谷底に突き落とすような展開も見られる江國香織作品。めでたしめでたしで終わらない少しビターな味わいが、読者の心を惹きつけます。

エッセイ

お気に入りの小説を見つければ、それを書く作家が日々どのような思想を持ち、どのような生活を送っているのか気になるところです。江國香織のエッセイは、そんな読者の願望を叶えてくれる珠玉の文章がたくさん詰まっています。

 

朝起きると2時間ほどお風呂に入り(しかもお風呂の中で読書をする!)、夜中の2時くらいまで外でお酒を飲み、チョコレートが大好きで、好きなものに触れて感じて、ありのままの自分でいる。しがらみのない生き方の素晴らしさを教えてくれます。

 

自身の結婚生活を綴ったものもあり、作者のとても可愛らしい一面を知ることができます。こうしてあの素晴らしい恋愛小説が生まれるのだなと思わされるでしょう。ちょっと特殊で、それでいてこういう考えもあるのだなと思える江國香織の恋愛観も文章の中に現れています。

詩集

詩集こそ、江國香織の言葉を贅沢に味わえるものでしょう。難しい言葉を使わず、ありのままにストレートに綴られる美しい言葉は、読者の心の中にするすると入っていきます。とても読みやすく、何度でも読み返したくなります。

 

死にゆく自分の父に対する正直な気持ち、性や欲に対するあまりにもあけすけな詩などは一見非常識に思う人もいるかもしれません。しかし、それが本来の人間というものだと思わされます。生まれたての赤ん坊のように無垢で雑念のない言葉に心を打たれます。

 

 

絵本

小説に多くのひらがなや擬音語を使う江國香織は、絵本も執筆しています。子供の頃から絵本にたくさん触れ、文章に慣れ親しんできました。父親にいつも絵本を読んでもらっていたことから、声に出した時に耳馴染みのよい言葉を厳選して絵本を書いていることがうかがえます。

 

学生時代に渋谷にあった童話屋という児童書を専門に売る本屋でアルバイトをしたり、児童文学を学ぶために海外の大学へ留学した経験もあります。児童文学に真剣にこだわる姿勢はとても強いです。

 

翻訳本

自身で執筆するだけではなく、海外の児童書も数多く翻訳しています。そのまま外国語を訳すのではなく、よりよい言葉を探し、工夫された翻訳でとても素敵なものが多いです。やわらかくて耳に心地よい言葉で、癒やしの時間を過ごしてください。

文学賞受賞作品から選ぶ

江國香織は、デビュー以来数々の文学賞を受賞しています。受賞作品には恋愛小説のみならず、幅広いジャンルが存在します。江國香織作品を初めて読む方は、文学賞受賞作品から読んでみてはいかがでしょうか?

直木賞受賞作品

直木賞は無名・新人および中堅作家による大衆小説作品に与えられる文学賞で、非常に有名な賞でもあります。2006年に発行された「号泣する準備はできていた」は、130回直木賞受賞作品です。

 

濃密な恋を失っていく悲しみを描いた表題作の他に、17歳のちょっぴりビターな初デートの思い出を描いた「じゃこじゃこのビスケット」など全12編が収録されています。号泣するほどの悲しみに暮れるあなたに、「きっと大丈夫。」と囁いてくれるような一冊です。

川端康成賞受賞作品

川端康成文学賞は、作家である川端康成を記念して作られた文学賞です。前年度最も完成度が高いと評価された短編小説に贈られます。2012年に発行された「犬とハモニカ」は、この川端康成文学賞を受賞した作品です。

 

空港の国際線到着ロビーに行き交う人々の人生の一瞬を、鮮やかに描いた6つの短編が収録されています。温かい孤独に満ちた6つの岐路が描かれています。

谷崎潤一郎賞受賞作品

谷崎潤一郎賞とは、中央公論社が創業80周年を記念して、作家谷崎潤一郎にちなんで設けた文学賞です。時代を代表する優れた小説・戯曲を対象としてます。2014年に発行された「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」は、第51回谷崎潤一郎賞を受賞した作品です。

 

主人公の幼稚園児たくとは、虫と話すことができる少年です。たくとの家庭は崩壊寸前。大人達の決して穏やかでない日常が精緻な文章で描かれていて、小さな子供がそんな日常を感受していく一瞬一瞬が鮮やかに捉えられている一作です。

長さで選ぶ

難しく堅苦しい言葉をあまり使わないので基本的にはとても読みやすく、比較的速く読み終えることのできる江國香織作品。どっぷり江國ワールドに浸って読みたい人、隙間時間にさっと読みたい人などさまざまだと思います。ここでは小説の長さでの選び方をご紹介します。

長編小説

普段から多くの本を読んでいる人でなければ、1ページにぎっしりと文字が詰まっているとそれだけで少し読む気が失せてしまいますよね。江國香織の作品は、とてもやさしい言葉でたんたんと綴られています。文字数が多くないので、長編でも疲れることなく読めるでしょう。

 

お決まりのハッピーエンドではなく、すっきり解決することのない作品もありますが、逆にそういうところが魅力でもあります。既婚者も多く出てきますが、その結婚生活の描写にはあまり所帯じみたところが感じられません。生活感はあるけれど、野暮ったくはない。

 

江國香織の描く恋愛は、まさに本能のままにすることです。少女のように可愛らしくあどけなく、欲を隠さなければいけない汚いものではなくありのままの自分なのだと肯定して堂々と晒しています。少し羨ましくも感じる江國ワールドを長編小説でじっくり堪能してください。

 

 

短編小説

ふとした日常を切り取った描写の多い江國作品。作者自身は、メッセージ性の強い小説やエッセイを読むのは苦手だそうです。軽やかにありふれた日常を表現し、かつその日常に豊かさや彩りを添えてくれる尖りのない文章。 誰かを待っている時、パスタを茹でている時、眠る前のちょっとした時間など、日々の生活の中にある隙間時間に心を癒やしてくれること間違いなしです。

江國香織おすすめ人気ランキング15選

ユニークな構成の6編連作短編集

「幸せと不幸」が再現された連作短編集。一般的な短編集と違い少った、ユニークな一冊です。同じ学校に通う女子高生達が主人公なのですが、同じ登場人物・場所・場面が別のストーリーにも登場するという、少し変わった構成がされています。

 

作品毎に違った女の子の目線で物語を読むことができるので、同じ登場人物でも作品毎に違った見方や評価をできるところが、この構成の面白いところです。子供と大人の間で揺れる17歳の孤独と幸福が鮮やかに描かれている、青春時代を思い出すような一冊です。

出版社 朝日新聞社 ページ数 317

9つの男女の物語

この本は9つの短編からなる短編集です。男女のちょっと不思議な恋愛物語が収録されていて、恋愛小説の名人江國香織の魅力が詰まった贅沢な一冊です。

 

半年間同棲していた耕介と別れ、傷ついていないつもりだった雛子。ですが、高校生のトオルと付き合っても、耕介への想いは消えさず思いが膨らむ一方でした。そんな主人公の姿を描いた表題作「ぬるい眠り」をはじめとし、女性らしさを強く感じられる作品が多く収録された一冊です。著者代表作「きらきらひかる」の続編も収録されています。

出版社 新潮社 ページ数 317

味わい深いショートエッセイ60編

江國香織さんらしさが楽しめるエッセイ本。「とるにたらない」けど、欠かせないもの、愛おしいもの、忘れられないもの等、有形無形の身の回りのもの60個について、やわらかく簡潔に綴っています。

 

いつも何気なく使っている輪ゴムや石鹸、なんとなく食べているケーキや固茹で卵、身近にあるけどいつもなんとなく使っている物や風景を、江國香織独特の目線と感覚で描いていて、とるにたらないもの達の素敵さ気づかせてくれます。

 

共感したり思わず笑みが溢れるような、そんなエッセイ集です。

出版社 集英社 ページ数 200ページ

かけがえのない夏の記憶の物語

あの夏の記憶だけ、いつまでも変わらずそこにある。バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきの音、そしてすいかの匂い。表題作である「すいかの匂い」をはじめとした11人の少女の夏の記憶の物語は、不思議と懐かしさを感じてしまうようなストーリーが一冊にされています。真昼の海辺や放課後の校庭で、ある日不意に訪れる無防備な子供達と闇との出会い。懐かしい情景の中に鮮やかに描かれる11人の少女の夏の秘密の物語です。

出版社 新潮文庫 ページ数 230

「週刊文春」連載エッセイが単行本になって登場

2010年の1月から10月まで、週刊文春に連載されていたエッセーです。食事の幸福がなかったら、人生はどれほど味気なくなるだろうか。幸福の塊である「食べ物」を巡る言葉と、小説や旅そして日々のたわいもないことを、とりとめもなく書きつけたエッセイ集です。江國香織の繊細かつ細やかな表現が、日々の些細な出来事さえもをキラキラ輝かせて見せてくれます。食べ物をめぐる情景が心に染み渡る、不思議で美味しい幸せなエッセイ集です。

出版社 文藝春秋 ページ数 212

親とも、友達とも、彼氏や夫とも違う「姉妹」という存在

 

アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれ育った日系人の姉妹、佐和子(カリーナ)とミカエラ(十和子)はいつも一緒にいました。二人の間にはある特別なルールーお互いの恋人を『共有』するーがあったのです。

 

女友達にはなんでも話せるけれど、肉親のようにすべてを許してさらけ出すことはなかなか難しいです。年頃の女の子なら、母親とも距離を持つことがあるでしょう。同性で、誰よりも近い距離にいる、なんでも話せる姉妹という存在は一体どういうものなのでしょう。

 

構想と取材に3年、執筆に2年を費やし丁寧に紡ぎ出された物語。日本とアルゼンチンを舞台に繰り広げられるこの作品は、異国の雰囲気と姉妹の不思議な絆によって、読者の価値観を静かに破壊していきます。

出版社 小学館 ページ数 396

なんてことない日常が愛おしくなる

 

果歩と静枝は学生の時からいつも行動を共にし、お互いのことを理解していました。二人の恋愛はタイプは違えど、お互いにお互いを思い合っています。果歩は失恋から時が止まったような毎日を過ごしています。一方の静枝は不倫の恋。

 

ラストは意外な結末で、なんとも言えないやるせない気持ちになりますが、これもまた人生なのだと思わされるでしょう。また、作中の食べ物に関する描写が江國香織らしく日常的で愛おしい文章で、心を豊かにしてくれます。読み終わった後は、自分を取り巻くなんてことない日常が大切に思えるようになる一冊です。

 

また、読者の中には果歩に感情移入したり静枝に自分を重ねたりと、登場人物を身近に感じている人が多いようです。少し歪んでいて、決して器用に恋愛できない二人。登場人物と同年代の女性から支持される理由がここにあります。

出版社 新潮社 ページ数 327

愛に囚われた母親とその傍らで成長する娘の物語

 

現実を生きようと成長し大人になり始める娘と、消えた愛する夫をいつまでも待ち続ける現実から遠い場所にいる母。消えた夫は必ず戻ってくるといい、引っ越しを繰り返す母子の物語です。大野智主演ドラマ「世界一難しい恋」にも登場した作品です。

 

女性の好きなものをたくさん詰めた、きらきらした物語です。主人公は風変わりで母親は夢見がちで、共感することは難しいかもしれません。しかし作者の江國香織は読者の共感を得るために小説を書いているのではないことは確かです。ただ、ありのままに綴っているのです。

 

なぜか最後まで一気に読めてしまうのは、やはり言葉の美しさ、シンプルさのせいなのかもしれません。さらさらと心に流れてくる言葉を、そのまま自然に受け止めてください。気付いたら、登場人物たちのどうしようもない人間らしさを愛おしいと思い始めるでしょう。

出版社 新潮社 ページ数 286

年上の女性との切なく美しい恋

 

V6の岡田准一と黒木瞳によって2005年に映画化された作品です。主人公の透は大学生で、年上の人妻である詩史と恋をしていました。「恋はするものじゃなく、おちるものだ。」という言葉を、透は身をもって知ったのです。一方、透の親友である耕二もまた年上の喜美子に夢中になり、その魅惑的な肉体関係に溺れていました。

 

透は若さからひたむきに純粋に詩史を愛し、詩史も透を愛おしく思いますが、100%透と同じ気持ちで向き合うことはできません。それは大人だから、結婚しているから。すべてを捨てて愛する男と一緒になることは、大人になった今では簡単にできることではないのです。

 

しかし、年齢差や立場など関係なく人は人を好きになることはあります。大人になって煩わしいこと面倒なことが多くなった時、この一冊を読んで甘い一時に浸ってみるのも決して悪いことではないかもしれません。

出版社 新潮社 ページ数 360

ウエハースのように脆くて甘い恋

 

主人公は38歳の画家です。妻と娘と息子を持つ恋人がいます。この不倫の関係に、主人公は溺れていました。頭ではわかっていても物分かりよく離れることはできない、離れる幸せよりも一緒にいる絶望を選ぶのです。

 

江國香織の作品の登場人物は、不健全でどこか少し箍が外れています。不倫はいけないもの、と普通は言うけれど、社会の枠から飛び出して自分の幸福を考えたら、恋した人と一緒にいたいと思うことも人間として当たり前のことです。

 

独身で、もう若くない女性の不倫は周りから見れば痛々しくさみしいけれど、心から夢中になれる男性がいることはとても幸せなこと。読者は共感はできないかもしれないけれど、繊細で美しい物語にどんどん惹きつけられ、気付けばラストまで読んでしまうことでしょう。

出版社 角川春樹事務所 ページ数 205

突然やってきたのは、恋人の恋人でした

 

八年という長い月日を一緒に暮らしてきた恋人、健吾に出ていかれた梨果。入れ替わるようにしてやって来たのは、健吾の新しい恋人、華子でした。華子と暮らすことになってしまった梨果は、不思議とその華子の魅力に取り憑かれていきます。

 

江國香織作品の巧みさは、美しい言葉もさることながら、その登場人物の風変わりな関係設定にあります。長年の恋人に分かれを告げられたと思ったら、その恋人と暮らすはめになるなんて、現実ではありえないし、絶対に起きてほしくないことです。

 

ここまでではないけれど、日々暮らしていて道理に合わないこと、納得できないこと、頭で処理しきれないことはたくさんありふれています。そんな感情とどう向き合っていくのか、折り合いをつけていくのか、そんなことを考えさせられる物語です。

出版社 角川書店 ページ数 605

一生に一度の忘れられない恋

 

1999年に出版されたこの小説は、同じ物語を女性視点は江國香織が、男性視点は辻仁成が書き、当時50万部を超えるベストセラーになりました。また、竹野内豊と香港の人気歌手で女優であるケリー・チャンによって2001年に映画化されました。

 

あおいは恋人と穏やかな日々を送っています。しかし、あおいは10年前にかつての恋人、順正とある約束をしました。10年後、ミラノのドゥオモで再会すること。二人は果たして再会するのでしょうか。永遠に忘れられない恋を、恋愛小説の名手江國香織が美しい文章で綴ります。

 

異国の地ミラノの雰囲気や、そこで食事をするシーンなど、江國香織の得意分野が発揮されています。辻仁成の順正目線のほうも合わせて読んで、作風を比べてみるのも楽しみ方のひとつです。

出版社 KADOKAWA ページ数 288

帽子ときゅうりと数字の2が織りなす友情物語

 

「ホテルカクタス」、それは町外れにある古い石造りのアパートです。そこには、三人の個性的な住人がいます。無職で自由人の帽子、健康志向でいつも体を鍛えているきゅうり、几帳面で繊細な数字の2。三人はひょんなことから仲良くなり、夜は誰かの部屋に集まって飲み明かします。

 

一人は気楽だけどさみしい、みんなでいると疲れるけど楽しい。人見知りの数字の2が、勇気を出してきゅうりの元を訪れたことがきっかけで始まる三人の関係は、とてもほっこりとします。不思議だけれど、あったかい江國ワールド全開の物語です。

 

挿絵は画家の佐々木敦子で、幻想的で美しくやわらかい光が小説の雰囲気にぴったりです。文字数も少なく、すっきりとしていて児童書のようです。短い時間ですぐ読めるので、初めて江國香織を読む人におすすめです。

出版社 集英社 ページ数 189

誰がなんと言おうとこれは純愛の物語

 

アルコール依存症で精神不安定の笑子とゲイの睦月は夫婦です。そして睦月には同性の恋人である紺がいます。笑子は睦月と紺の関係を認めています。こんな奇妙な関係が、だんだんと変化していきます。三人はみな純粋で、真っ直ぐです。これは江國香織の純愛物語といえるでしょう。

 

この作品では、少し変わった夫婦のカタチを描いています。一般的には受け入れられないかもしれないけど、完全に否定することもできない。こんな価値観もあるのだと思うし、普通に結婚して子供を産むことだけが結婚のカタチなのかどうか考えさせられます。

 

周りを気にしてがんじがらめになって生きるよりも、自由な価値観で自分らしく生きることの大切さを教えてくれます。最近では、もしかしたらこういう夫婦がいるかもしれません。夫婦、家族のカタチはひとそれぞれです。多様性が求められる今、古い価値観に囚われずに柔軟になることはとても大切です。

出版社 新潮社 ページ数 213

江國香織のセンスが光る初期作品群

 

デビュー作「桃子」、過去にセンター試験の問題文として掲載された「デューク」など江國香織の初期の作品が詰まった初々しくもセンスの光る短編集です。一番短いお話は6ページほどなので、ちょっとした時間で江國作品に触れることができます。

 

全部で21編で短いものばかりですが、読んだ後は心に残る作品ばかりです。スッと読めて、じんわりあたたかくなります。決してすぐに忘れ去られてしまうような存在感のない物語ではありません。何度も読みたくなる一冊です。

 

忙しい毎日を過ごし大人のしがらみの中で生きる人たちに、忘れかけていた童心を思い起こさせてくれる作品です。難しいことは考えずに、ただただ江國香織が届けてくれる美しい物語を楽しんでください。

出版社 新潮社 ページ数 209

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江國香織のインタビューをチェック

読書家としても有名な江國香織さん。どのような本を読んで育ったのでしょうか。気になるところです。ここでは江國さんのインタビュー記事をご紹介します。

お気に入りの本や読書生活ついて直撃インタビュー

以下のリンクでは、江國香織自身がどのような「本屋のお客」で、どんな「本の読者」なのか、という内容のインタビューが掲載されています。江國香織ファンの方は、ぜひインタビューをチェックしてみてください。

江國香織の小説をもっと楽しむ

ここまで江國香織の珠玉の作品ランキングをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。普段活字に触れていない人でも無理なく読めるほど、どの作品もシンプルで美しい言葉で綴られています。ほっと一息つきたい時、傍らに用意する一冊としておすすめです。

本サービス内で紹介しているランキング記事はAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどECサイトの売れ筋ランキング(2020年11月20日)やレビューをもとに作成しております。

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